篠田英朗著『ほんとうの憲法: 戦後日本憲法学批判』(2017)

日本の憲法学では「国民が権力を制限することが立憲主義だ」とされ、「抵抗」を英雄視する物語が延々と語られている。あたかも憲法9条が国際法をも超越した存在であるかのようなロマン主義を流布しつつ、自衛隊日米安保を否定し、安全保障問題を語ってはいけない裏事情であるかのように扱ってきた。なぜこのような憲法学がまかり通るようになったのか。その歴史的経緯を解明し、日本が国際社会の一員として国際協調主義を採り、真に立憲主義国家になるための道筋を問い直す。

1 ほんとうの憲法の姿
 日本国憲法をめぐる誤解を解く
 日米関係から憲法史を捉えなおす
2 抵抗の憲法学を問いなおす
 押しつけ憲法論への抵抗―歴史の物語を取り繕う憲法
 国際化への抵抗―国際法と敵対する憲法
 英米法への抵抗―幻の統治権に拠って立つ憲法
おわりに―9条改正に向けて