橋迫瑞穂「「占い・おまじない」と女性」『ソシオロゴス』2012年36号

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本稿は、今日、女性誌で取り上げられる「占い・おまじない」が大人の女性たちに何を示しているの
かについて、女性誌を中心に活躍している占星術研究家・鏡リュウジの活動を素材とし、「地図」という観点から明らかにすることをねらいとする。かつて、「占い・おまじない」の主な受容者は少女であったが、それは「占い・おまじない」が人生への指針を示す「地図」の役割を果たしてきたからである。ところが、従来は専門誌を中心に執筆活動を行ってきた鏡の主たる活動舞台が、一般女性誌にシフトし、大人の女性の読者を獲得している。その背景には、仕事や出産といった選択肢に直面する女性が、指針を示す「地図」を鏡の「占い・おまじない」に期待していることに由来する。それに対し鏡は「占い・おまじない」によって、イメージとしての「少女」を基準とした「地図」を提供しているのである。このことを明らかにするのが、本稿の課題である 。

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