池澤夏樹著『現代世界の十大小説』(2014)メモ

現代世界の十大小説 (NHK出版新書)

現代世界の十大小説 (NHK出版新書)

世界の“いま”を、文学が暴き出す
私たちが住む世界が抱える問題とは何か? その病巣はどこにあるのか? そして未来はどこへ向かうのか? これらの疑問に対して、いま小説は、どう答えられるのか――。モームの名エッセイ『世界の十大小説』刊行から60年、池澤夏樹が新たな「世界文学」を擁して激動の現代世界を問い直す。

目次
第1部 「民話」という手法
第1章 マジックなリアリズム――ガルシア=マルケス百年の孤独
第2章 「真実」だけの記録――アゴタ・クリストフ悪童日記

第2部 「枠」から作り直す
第3章 恋と異文化――ミルチャ・エリアーデ『マイトレイ』
第4章 名作を裏返す――ジーン・リース『サルガッソーの広い海』
第5章 野蛮の復権――ミシェル・トゥルニエ『フライデーあるいは太平洋の冥界』

第3部 「アメリカ」を相対化する
第6章 国境の南――カルロス・フエンテス老いぼれグリンゴ
第7章 アフリカに重なるアメリカ――ジョン・アップダイク『クーデタ』
第8章 正しい生きかたを探す若者――メアリー・マッカーシーアメリカの鳥』

第4部 「体験」を産み直す
第9章 消しえない戦争の記憶――バオ・ニン『戦争の悲しみ』
第10章 闇と光の海――石牟礼道子苦海浄土