佐藤俊樹著『社会科学と因果分析ーウェーバーの方法論から知の現在へ』(2019)

 

マックス・ウェーバーは、社会科学全体の創始者の一人である。その因果分析の方法論が、百年後の社会科学における最先端の展開や論争、統計的因果推論等の手法にそのままつながっているとしたら? それが文科系/理科系の分類を超え出ているとしたら? 従来のウェーバー像とは大きく異なるその学問の姿を明らかにする。

はしがき この本の主題と構成,そして読み方案内

第一章 社会科学とは何か
 [第一回]社会科学は何をする?
 [第二回]人文学と自然科学の間で
  【コラム1】 ウェーバーの方法論の研究史

第二章 百年の螺旋
 [第三回]リッカートの文化科学――価値関係づけの円環
 [第四回]機能主義と因果の推論――制度のしくみと意味
 [第五回]システムと文化科学と二項コード――現代の座標系から

第三章 適合的因果の方法
 [第六回]歴史の一回性と因果――リッカートからフォン・クリースへ(1)
 [第七回]適合的因果と反実仮想――リッカートからフォン・クリースへ(2)
 [第八回]「法則論的/存在論的」――「客観的可能性」の考察(1)
 [第九回]「事実」と知識――「客観的可能性」の考察(2)
 [第一〇回]量子力学と経験論――「客観的可能性」の考察(3)
  【コラム2】骰子の目の法則論(ノモロジー)と存在論オントロジー

第四章 歴史と比較
 [第一一回]日常会話の可能世界――因果分析の方法論(1)
 [第一二回]歴史学者の思考実験――因果分析の方法論(2)
 [第一三回]自然の科学と社会の科学――経験的探究としての社会科学(1)
 [第一四回]比較社会学への展開――経験的探究としての社会科学(2)
  【コラム3】一九世紀の統計学社会学

第五章 社会の観察と因果分析
 [第一五回]法則論的知識と因果推論
 [第一六回]社会科学と反事実的因果
 [第一七回]因果効果と比較研究
  【コラム4】三月革命の適合的因果と期待値演算
 [第一八回]事例研究への意義
 [第一九回]ウェーバーの方法論の位置
 [第二〇回]社会科学の現在 閉じることと開くこと

あとがき

 

ブレイディみかこ, 松尾匡, 北田暁大著『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう-レフト3.0の政治経済学』(2018)

 

日本のリベラル・左派の躓きの石は、「経済」という下部構造の忘却にあった!アイデンティティ政治を超えて、「経済にデモクラシーを」求めよう。バージョンアップせよ、これが左派の最新型だ!

第1章:下部構造を忘れた左翼
第2章:「古くて新しい」お金と階級の話
補論1:来るべきレフト3.0に向けて
第3章:左と右からの反緊縮の波
第4章:万国のプロレタリアートは団結せよ!
補論2:新自由主義からケインズ、そしてマルクス

 85 ブレイディみかこ『労働者階級の反乱』

 

アルフレッド・シュッツ著. 森川眞規雄, 浜日出夫訳『現象学的社会学』(1970=1980)

 

現象学的社会学 (文化人類学叢書)

現象学的社会学 (文化人類学叢書)

 

 

片桐雅隆著『過去と記憶の社会学ー自己論からの展開』(2003)

 

過去と記憶の社会学―自己論からの展開

過去と記憶の社会学―自己論からの展開

 

大きな物語からの解放と小さな物語の噴出 ― 相互行為のリソースとしての物語はどう変わりつつあるのか。自己の同一性と過去の構築性とを論じつつ「現代社会とは何か」に答え、ミクロ-マクロ問題の解法をも示唆した構想力豊かな力作!

第一章 自己の構築と記憶
  ― 自己論から過去と記憶論へ
第二章 物語と自己の同一性
  ― 物語論と個人誌論の視点から
第三章 変身願望と過去の書き換え
  ― 転向やマインド・コントロールなどをめぐって
第四章 過去の構築と相互行為

第五章 「メンバーシップと記憶」論の構想
  ― 自己論からメンバーシップ論へ
第六章 集合的記憶と歴史
  ― 自己論との関連で
第七章 共同体的自己から状況的自己へ
  ― ナルシス的自己論として
第八章 集合的過去の縮小と物語の私化

●あとがき ●文献リスト ●索引

 132 ビリッグ『イギリス王室の社会学

イギリス王室の社会学―ロイヤル・ファミリーに関する「会話」の分析

イギリス王室の社会学―ロイヤル・ファミリーに関する「会話」の分析

 

 

森川嘉一朗著『趣都の誕生-萌える都市アキハバラ』(2003)

 

趣都の誕生―萌える都市アキハバラ (幻冬舎文庫)

趣都の誕生―萌える都市アキハバラ (幻冬舎文庫)

 

いつの間にかアキハバラ全体が巨大な「個室」になっている! たどり着いてしまった前代未聞の未来風景の出現を、新世代の論客が鮮やかに解き明かすまったく新しいオタク論、都市論の登場!!

序章 萌える都市
第1章 オタク街化する秋葉原
第2章 なぜパソコンマニアはアニメ絵の美少女を好むのか―オタク趣味の構造
第3章 なぜ家電はキャラクター商品と交替したか―「未来」の喪失が生んだ聖地
第4章 なぜ「趣味」が都市を変える力になりつつあるのか―技術の個人化が起こす革命
第5章 趣都の誕生

 

ジグムント・バウマン, ティム・メイ著, 奥井智之訳『社会学の考え方 第2版』(1990→2001=2016)

 

社会学の考え方〔第2版〕 (ちくま学芸文庫)

社会学の考え方〔第2版〕 (ちくま学芸文庫)

 

常世界はどのように構成されているのか。日々変化する現代社会をどう読み解くべきか。読者を〈社会学的思考〉の実践へと導く最高の入門書。新訳。

序章 社会学とは何か
第1章 自由と依存
第2章 わたしたちとかれら
第3章 コミュニティと組織
第4章 権力と選択
第5章 贈与と交換
第6章 身体の諸相
第7章 秩序と混乱
第8章 自然と文化
第9章 テクノロジーとライフスタイル
第10章 社会学的思考