現在、私たちを取り巻く「知」の数々は、20世紀以降の世界がおかれた4つの状況から発生する。本書ではそれを、ポスト・グーテンベルク状況、ポスト・モダン状況、ポスト・ナショナル状況、ポスト・ヒューマン状況と名づける。そして、そこから浮かび上がってくる「イメージと記号論」「情報とメディアの思想」「ナショナリズムと国家」など、15個のトピックスに切り分け、ソシュール、レヴィ=ストロース、フーコーという巨人たちの思想を読みなおしていく。ありきたりの哲学教科書では学ぶことのできない、現代思想における全ての最重要論点を、一から平明に解く15章の徹底講義。
「現代思想とは何か」―イントロダクション
「言語の世紀」の問い―ソシュールをめぐって
記号とイメージの時代―パースと現代記号論
無意識の問い―「フロイトの発見」以後
文化の意味―「構造主義革命」以後
「欲望とは何か」―欲望と主体
「権力と身体」―権力と主体化
「社会とは何か」―象徴闘争と社会場
情報とメディアの思想―「メディアはメッセージ」
文化産業と想像力―想像の未来
「戦争について」―戦争はなぜ終わらないのか 西谷修との対談
「宗教について」―宗教の回帰を問う 西谷修との対談
ナショナリズムと国家―ナショナリズムを克服する 小森陽一との対談
差異と同一性の共生原理―ジェンダー、マイノリティ、クレオール、マルチチュード
総括と展望―新しい人文知のために