アリ・スミス著,木原善彦訳『両方になる』(2014=2018)

 

十五世紀イタリアに生きたルネサンスの画家と、母を失ったばかりの二十一世紀のイギリスの少女。二人の物語は時空を超えて響き合い、男と女、絵と下絵、事実と虚構の境界をも鮮やかに塗り替えていく。そして再読したとき、物語はまったく別の顔を見せる――。未だかつてない楽しさと驚きに満ちた長篇小説。コスタ賞受賞作。