山形浩生著『訳者解説ー新教養主義宣言リターンズ』(2009)

訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ- (木星叢書)

訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ- (木星叢書)

インターネット上の自由と規制を考えるうえで基本文献となったレッシグの『CODE』3部作、環境運動家たちの統計の誤用濫用をあばいたロンボルグの連作、心理学史上名高い「アイヒマン実験」についてのミルグラムによる報告など、さまざまな分野でメルクマールとなった本の解説から学ぶ、異色の教養テキスト。ロングセラー『新教養主義宣言』から10年ぶりの姉妹編、遂に刊行。

■1章 「人間理解」のバージョンアップ
自由についていまぼくたちが考えるべきなにか ダニエル・デネット『自由は進化する』
自由意志はなぜ「自由」であるのか ジョージ・エインズリー『誘惑される意志──人はなぜ自滅的行動をするのか』
服従が信頼の裏返しであるとするならば スタンレー・ミルグラム服従の心理』
悪しき文化相対主義に鉄槌! ハリー・フランクファート『ウンコな議論』
「意識とは何か」をめぐる議論にブレイクスルーを! スーザン・ブラックモア『「意識」を語る』
■2章 データが読めれば構造が見える
未来への希望を真実のものにするために ビョルン・ロンボルグ『環境危機をあおってはいけない』
二酸化炭素を減らしたとして、さて何が実現する? ビョルン・ロンボルグ『地球と一緒に頭も冷やせ』
あなたの日常の裏で行われている大量のデータ解析のこと イアン・エアーズ『その数学が戦略を決める』
日本の警察諸君も数学勉強してみたら? デブリン&ローデン『数学で犯罪を解決する』
経済学者はいかにして人の神経を逆なでするか ハロルド・ウィンター『人でなしの経済理論』
■3章 新世紀のアーキテクチャ
インターネットの「規制」と民主主義の将来 ローレンス・レッシグ『CODE』
インターネットはいかに「共有地」を作り上げたか ローレンス・レッシグ『コモンズ』
クリエイティブ・コモンズ」という革命運動 ローレンス・レッシグFree Culture
ノウアスフィアは、ぼくたちの開墾を待っている エリック・レイモンド『伽藍とバザール