吉田広明著『B級ノワール論−ハリウッド転換期の巨匠たち』(2008)

B級ノワール論――ハリウッド転換期の巨匠たち

B級ノワール論――ハリウッド転換期の巨匠たち

ジョゼフ・H.ルイス、アンソニー・マンリチャード・フライシャー。三人の巨匠の経歴と作品を精緻に分析し、ハリウッド古典期から現代期への転換点としての「B級ノワール」のいまだ知られざる全貌を見はるかす、画期的書き下ろし長篇評論。

序論 B級ノワール概説
第一章 B級ノワールにおける実験性――視覚的表現主義者ジョゼフ・H・ルイス
 (1)ワゴン・ホイール・ジョーの変貌
 (2)ディープ・フォーカス、窓、分身
第二章 B級ノワールにおける古典性――ミニマリストアンソニー・マン
 (1)アナクロニックな誠実さ 「作家」アンソニー・マンの悲劇と栄光
 (2)パッションとアクション
第三章 B級ノワールにおける現代性――視覚的原理主義リチャード・フライシャー
 (1)最後のB級ノワール作家――リチャード・フライシャーの歴史的位置
 (2)「イメージ」の権能――映画において「見える」ことは自明なのか
結論 イメージのアナクロニズムのために
B級ノワール主要作品解説
B級ノワール人物事項解説

34 エンタープライズ社「コミューン的に自由な映画作りが目指されたエンタープライズは、多くの左翼映画人の活動の場でもあった」
24 ボディ・アンド・ソウル, エイブラムス・ポロンスキー脚本, ロバート・アルドリッチ助監督
24 苦い報酬, エイブラムス・ポロンスキー, ロバート・アルドリッチ助監督
36 製作者 ドーリ・シャーリー
37 緑色の髪の少年, ジョセフ・ロージー
37「当時(49年頃)RKOにはさらにアンソニー・マンリチャード・フライシャーロバート・ワイズジャック・ターナーマーク・ロブソンらが在籍しており、このB班の充実ぶりを見れば、RKOが当時、進取的であwると同時に最も勢いのあるスタジオだったことが納得される」
39「既にハリウッド・システムが崩壊質つまり、アルドリッチは二歳年上のリチャード・フライシャーのように同じスタジオに一貫して所属し、安定した環境の下でプログラム・ピクチャーを撮り続けるという環境に恵まれることはなかった」
44 無警察地帯, フィル・カールソン「50年代ノワールを代表するとされる」
85 ハリディの烙印, ルイス
99 私の名前はジュリア・ロス, ルイス
103 夜は暗く, ルイス
123, 141 Tメン, アンソニー・マン
128 グレン・ミラー物語, アンソニー・マン
137 , 213, 12 遠山編『フィルム・ノワールの光と影 (EMブックス)』

フィルム・ノワールの光と影 (EMブックス)

フィルム・ノワールの光と影 (EMブックス)

148 秘密指令(恐怖時代), アンソニー・マン, ウォルター・ウェンジャープロデュース
152 ドーリ・シャーリー, プロデューサー, MGM
153「MGMという会社はメジャー中のメジャーであり、B級の予算もユニヴァーサルやコロンビアなどメジャー中のマイナー社のA級映画予算に匹敵した」
158 過去を逃れて, ジャック・ターナー
181 ジョン・オルトン, カメラマン
228 札束無情, リチャード・フライシャー
231 その女を殺せ, リチャード・フライシャー
242 脅迫/ロープ殺人事件, リチャード・フライシャー
244 史上最大の作戦
258, 290 山田『何が映画を走らせるのか?』
何が映画を走らせるのか?

何が映画を走らせるのか?

296, 311 『「アメリカン・ニューシネマ」の神話』
American film 1967-72―「アメリカン・ニューシネマ」の神話 (Neko cinema book―Academic series)

American film 1967-72―「アメリカン・ニューシネマ」の神話 (Neko cinema book―Academic series)

上島・遠山『60年代アメリカ映画』
60年代アメリカ映画 (E・Mブックス)

60年代アメリカ映画 (E・Mブックス)