永井均著『なぜ意識は実在しないのか』(2007)

なぜ意識は実在しないのか (双書 哲学塾)

なぜ意識は実在しないのか (双書 哲学塾)

僕にも君にも共通にあるとされる、意識っていったい何だろう?そんなもの、本当に「ある」のか?たんなる“これ”としての“私”の存在から、時間との類比と言語の本質への洞察によって、その秘密を明るみに出す。独在論が真理であることと、われわれがみなゾンビであることの二つの「驚き」をつなぐ、スリリングな思考。

第1日 なぜ意識は哲学の問題なのか
 心なんて一般的なものはない
 脳と意識の関係は他のどんな関係にも似ていない
 時間との類比を試みてみよう ほか
第2日 なぜわれわれはゾンビなのか
 現象的と心理的の対比は累進する
 論理的付随と自然的付随を隔てるもの
 二次元的意味論を三次元へ ほか
第3日 なぜ意識は志向的なのか
 人称化と時制化による客観的世界の成立と志向性
 知覚経験はいかにして志向的となるか
 志向性と内包をつなぐもの ほか