ポール・リクール著『時間と物語 Ⅰ ー物語と時間性の循環, 歴史と物語』(1983=1987)

時間と物語〈1〉物語と時間性の循環/歴史と物語

時間と物語〈1〉物語と時間性の循環/歴史と物語

「時間は物語の様式で分節されるのに応じて人間的時間になる。そして物語は時間的存在の条件になるときに、その完全な意味に到達する」。このテーゼの豊かな含蓄を、アウグスティヌスの時間論とアリストテレスのミメーシス論を媒介に汲み尽くした著者畢生の成果。

第1部 物語と時間性の循環
 時間経験のアポリアアウグスティヌス著『告白』第十一巻
 筋立て―アリストテレス詩学』のひとつの読解
 時間と物語―三重のミメーシス
第2部 歴史と物語
 物語の衰退
 物語のための弁護
 歴史の志向性

117 1976=82

行為としての読書 美的作用の理論 (岩波モダンクラシックス)

行為としての読書 美的作用の理論 (岩波モダンクラシックス)

402「時間は物語の形で分節されるのに応じて、人間的な時間となり、物語は時間的実存の条件となるときに、その完全な意味に到達する」
405「歴史記述もフィクション物語も、両者に共通な物語構造、つまり筋によって、人間の歴史的条件を記述し、再=記述する」「人間の経験の歴史性は、本質的に物語性としてしか言語化されないのであり、歴史的時間は物語によってしか表現されない」