山腰修三「批判的コミュニケーション論 における「政治的なもの」の 再検討ーN. Couldry のメディア理論を手がかりとしてー」『メディア・コミュニケーション研究所紀要』No.64

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本論ではとくにカルチュラル・スタディーズを出発点としながらも政治理論・社会理論を取り入れながら独自のメディア理論を構築しつつあるニック・クドリー(Nick Couldry)の取り組みに注目する。クドリーは「政治的なもの」について中心的な議論を展開しているわけではない。しかし,本論ではクドリーの問題意識やアプローチを参照しつつ,そこに批判的コミュニケーション論において「政治的なもの」を再構成する契機が存在することを示すことにしたい。

「いかにメディアが社会生活の中で利用されるのか」「どのようにメディアが社会それ自体を形成するのか」「メディアを通じて伝達される意味がいかなる社会的影響をもたらすのか」という問題意識に根差したアプローチがクドリーの「社会志向のメディア理論」である(Couldry 2012:8)。

なぜメディア研究か―経験・テクスト・他者

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ニューメディアの言語―― デジタル時代のアート、デザイン、映画

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偉大さのエコノミーと愛

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