最近のクラッシュ・オブ・クランについて

 ここ最近のクラッシュ・オブ・クランの状況を見る限り、以前のエントリー(「クラッシュ・オブ・クランで日本人が負けるワケ」)で提起した仮説はそれなりに正しかったのかもしれない。国内クランの状況を一瞥すると、新年開けて数日は世界ランキングでトップ10入りを果たした国内最強クラン「JP1神」は、中心メンバーかつ、国内ランキング1位であったプレイヤーGOEMONの離脱に伴う内紛、GOEMON派プレイヤーの大量離脱、新クラン「JAPAN CHAMPIONS」立ち上げという一連の騒動によって、「JP1神」国内1位の構図は完全に崩壊した。その余波により、他クランの吸収合併を繰り返し、版図拡大していたJP1グループからも、主要メンバーが大量離脱し、複数クランが廃止、グループ全体は縮小傾向にある。

 これにより国内クランは、前述の新クラン「JAPAN CHAMPIONS」に加えて、「japan legend」「ファイティング原田」「Love & Peace」などの老舗クランが上位に乱立する状況となった。しかし、これらクランの平均トロフィー数は3万強であり、現時点にてトロフィー3万8千強で世界第1位のクラン「Kings Landing」を筆頭に、50位でもトロフィー3万1千が必要な世界ランキング最上位帯に国内クランの名前は存在しない。ちなみに同じアジア勢でも、中国、台湾、韓国、タイ、ベトナムなどのクランは世界ランキング上位に名前を連ねている。

 こうした状況や国内上位クランの現在の雰囲気を総合的に考慮しても、国内クランの協力・吸収合併など、上位プレイヤーが再び結集して世界最上位を狙う体制は、著しく後退したと言わざるをえない。もちろん、微課金ブレイヤーに過ぎない私は、内情を深く知る立場にもなければ、そんなものをスキャンダル的に暴き立てる意志もない。強クラン維持するためには、プレイヤー数、課金額やプレイ時間、さらにはクラン内の円滑なコミュニケーションなど、ガバナンス・テクニックが求められる本ゲームにて、これら要因がクランの強弱に与える影響の国際比較をせずに、国内クランに前記仮説を不当に適用するつもりもない。しかし、他国と比較しても十分なプレイヤー数を誇り、戦術論も盛んで、プレイヤーの技術も十分に備わっているゲーム大国であることに不釣合いな現況を観察していると、仮説の正しさを確信するのもまた事実である。

 ゲーム内容について。私が現在、位置するトロフィー帯は1900〜2200という、中堅長期プレイヤーには居心地のよいぬるま湯帯域なのだが、このランクの攻撃スタイルはもっぱら、1.ジャイアント・ヒーラーのアレンジ、2.ホグライダー・ラッシュ、3.バルーン・ガーゴイル・ドラゴンの空軍がほとんどである。1はゴールド・クリスタル帯域では、ウィザード増量により、それまでアーチャーが担っていたジャイアントの中央突破アシストの役割を代替することで、全壊は厳しいまでもそれなりに安定した戦績を上げることができる。この戦法から、ジャイアントをゴーレムに、アーチャーをウィザード、ネクロマンサーに置き換えたものが、最上位で現在主流となっているゴーレム・ウィザード・ネクロマンサー(GoWiWi)だろう。

 2と3の戦法の流行の要因としては、火力のあるホグライダー、バルーンの安定した強さは言うまでもないが、方法論として語りやすいことが挙げられるかもしれない。というのも、ホグとバルは兵器優先で攻撃するため、戦闘開始直後にクラン城の援軍さえ処理してしまえば、あとはユニットを一気に流し込むだけで、それ以上の操作はほとんど必要なく、プレイヤーはヒーリング、レイジなどの呪文を使う適切なタイミングにのみ集中できるためである。戦術として非常に簡略であるため、チャットやリプレイの共有によるクラン内コミュニケーションによって習得しやすいことも流行を手伝っているだろう。とりわけ、2のホグ・ラッシュの流行は爆発的であり、現在、クリスタル以上のリーグでは、中央にクラン城・クロスボウインフェルノタワーを、外周に他兵器を広く配置し、ホグを周回させている間に、巨大爆弾・援軍・中央兵器で処理する、対ホグ村が急増している。しかし、この配置は兵器間のスペースが広いため、他の攻め方に弱く、陣形に悩むところだ。