マルクス・ガブリエル著, 清水一浩訳『なぜ世界は存在しないのか』(2013=2018)

 

なぜ世界は存在しないのか (講談社選書メチエ)

なぜ世界は存在しないのか (講談社選書メチエ)

 

 世界の最先端を牽引する「新しい実在論」のマニフェスト、ついに電子版登場! 1980年ドイツ生まれのマルクス・ガブリエルは、今、最も注目されている哲学者です。その名を一挙に知らしめた『なぜ世界は存在しないのか』は、さまざまな領域に波紋を生み続けています。日本でも多くの読者を獲得している本書とともに、AIの飛躍的進化が象徴する先の読めない状況の中で、改めて「世界」と「人間」について考えてみましょう!

哲学を新たに考える
I これはそもそも何なのか、この世界とは?
II 存在するとはどのようなことか
III なぜ世界は存在しないのか
IV 自然科学の世界像
V 宗教の意味
VI 芸術の意味
VII エンドロール──テレビジョン

 

ジョン・ウォーターズ著, 柳下毅一郎訳『ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法』(1995=1997)

 

ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法

ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法

 

伝説のカルト映画『ピンク・フラミンゴ』で俗悪と不潔のかぎりを尽くし、不世出の倒錯女王ディヴァインを世に知らしめた「悪趣味の帝王」が、みずからの生い立ちを語り、「美味しい悪趣味」の作り方を指南する、究極のレシピ本。

1 世界一不潔な人々
2 暴力が好きなわけ
3 ぼったくりどん百姓
4 ボルチモア―世界のヘア・スタイルの首都
5 フィメール・トラブル
6 裁判のすべて
7 キャスティング
8 世界一の美女
9 デスペレート・リビング
10 イディス・マッセイ、エッグ・レディ
11 二大巨匠―ラス・メイヤー ハーシェル・ゴードン・ルイス
12 有名、みたいな
13 親の顔が見たい

 

佐藤俊樹著『社会科学と因果分析ーウェーバーの方法論から知の現在へ』(2019)

 

マックス・ウェーバーは、社会科学全体の創始者の一人である。その因果分析の方法論が、百年後の社会科学における最先端の展開や論争、統計的因果推論等の手法にそのままつながっているとしたら? それが文科系/理科系の分類を超え出ているとしたら? 従来のウェーバー像とは大きく異なるその学問の姿を明らかにする。

はしがき この本の主題と構成,そして読み方案内

第一章 社会科学とは何か
 [第一回]社会科学は何をする?
 [第二回]人文学と自然科学の間で
  【コラム1】 ウェーバーの方法論の研究史

第二章 百年の螺旋
 [第三回]リッカートの文化科学――価値関係づけの円環
 [第四回]機能主義と因果の推論――制度のしくみと意味
 [第五回]システムと文化科学と二項コード――現代の座標系から

第三章 適合的因果の方法
 [第六回]歴史の一回性と因果――リッカートからフォン・クリースへ(1)
 [第七回]適合的因果と反実仮想――リッカートからフォン・クリースへ(2)
 [第八回]「法則論的/存在論的」――「客観的可能性」の考察(1)
 [第九回]「事実」と知識――「客観的可能性」の考察(2)
 [第一〇回]量子力学と経験論――「客観的可能性」の考察(3)
  【コラム2】骰子の目の法則論(ノモロジー)と存在論オントロジー

第四章 歴史と比較
 [第一一回]日常会話の可能世界――因果分析の方法論(1)
 [第一二回]歴史学者の思考実験――因果分析の方法論(2)
 [第一三回]自然の科学と社会の科学――経験的探究としての社会科学(1)
 [第一四回]比較社会学への展開――経験的探究としての社会科学(2)
  【コラム3】一九世紀の統計学社会学

第五章 社会の観察と因果分析
 [第一五回]法則論的知識と因果推論
 [第一六回]社会科学と反事実的因果
 [第一七回]因果効果と比較研究
  【コラム4】三月革命の適合的因果と期待値演算
 [第一八回]事例研究への意義
 [第一九回]ウェーバーの方法論の位置
 [第二〇回]社会科学の現在 閉じることと開くこと

あとがき

 

村上淳一編著『法律家の歴史的素養』(2003)

 

法律家の歴史的素養

法律家の歴史的素養

 

 「司法改革」が進み,実務教育重視の法科大学院が実現されようとしている現在,いまこそ「先端的な基礎研究」が必要であることを説く.桐蔭横浜大学法学部と「ドイツ法フォーラム」共催のシンポジウムをベースにまとめる.基礎法学の今日的意味と魅力を伝える書.

はじめに(村上淳一
I 〈過去〉に対する態度
  サヴィニーの法学がとった,〈過去〉に対する態度(守矢健一)
  [コメント]「〈過去〉に対する態度」の現代的位置づけ――ニーチェとボルツ(村上淳一
II 〈過去〉の解釈と批判 その1:サヴィニーの法制度論
  サヴィニーの法制度論――理論と実務の架橋(児玉 寛)
  [コメント]歴史研究と体系形成(石部雅亮)
III 〈過去〉の解釈と批判 その2:ラーベルの場合
   ローマ法・比較法・民法解釈学批判――ラーベルの場合(小川浩三)
   [コメント]ラ-ベルの史料操作(木庭 顕)
IV 討論:法律家の歴史的素養
   法の実定性
   サヴィニーの「構成」
   クリティックとドグマティク
   歴史の枠組
   ローマ史と「モデル」
   なぜ歴史を学ぶか
[全体へのコメント] クリティックとしての歴史的素養(石井紫郎
補説1 「差異の寄生者」としての個人―ルーマンを読む(村上淳一
補説2 貴族サヴィニーの民事訴訟村上淳一

 

木澤佐登志著『ダークウェブ・アンダーグラウンド-社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち』(2019)

 

ダークウェブ・アンダーグラウンド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち

ダークウェブ・アンダーグラウンド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち

 

政府の監視も、グーグルのアルゴリズムも、企業によるターゲティングも、さらには法律の手すらも及ばないインターネットの暗部=ダークウェブ。「ネットの向こう側」の不道徳な領域を描き出すポスト・トゥルース時代のノンフィクション!!

知られざるインターネットの暗部――ダークウェブ。その領域の住人たちは何よりも「自由」を追い求め、不道徳な文化に耽溺しながら、「もう一つの別の世界」を夢想する。本書ではアメリカ西海岸文化から生まれたインターネットの思想的背景を振り返りながら、ダークウェブという舞台に現れたサイトや人物、そこで起きたドラマの数々を追う。「自由」という理念が「オルタナ右翼」を筆頭とした反動的なイデオロギーと結びつき、遂には「近代」という枠組みすら逸脱しようとするさまを描き出す。

序章 もう一つの別の世界
 分断されたインターネット
 フィルターにコントロールされた「自由」…etc.

第1章 暗号通信というコンセプト
 ダークウェブとは何か
 「数学」という美しく純粋なシステムによる支配…etc.

第2章 ブラックマーケットの光と闇
 「闇のAmazon
 思慮深きマーケットの支配者…etc.

第3章 回遊する都市伝説
 殺人請負サイトQ&A
 人身売買オークション
 スナッフ・ライブストリーミング…etc.

第4章 ペドファイルたちのコミュニティ
 児童ポルノの爆発的な拡散
 フィリピンのサイバー・セックス・ツーリズム
 おとり捜査…etc.

補論1 思想をもたない日本のインターネット
 アングラ・サブカルとしての消費
 アメリカのインターネットが反体制的な理由…etc.

第5章 新反動主義の台頭
 哲学者、ニック・ランド
 暗黒啓蒙(ダーク・エンライトメント)
 恋愛ヒエラルキーの形成と闘争領域の拡大…etc.

第6章 近代国家を超越する
 ブロックチェーン上のコミュニティ
 バーチャル国家が乱立する未来…etc.

補論2 現実を侵食するフィクション
 冥界としてのサイバースペース
 現実認識を変容させる…etc.

164  『ネット・トラヴェラーズ〈'95〉』

ネット・トラヴェラーズ〈’95〉

ネット・トラヴェラーズ〈’95〉

 

  165 『サイバースペースからの挑戦状』

サイバースペースからの挑戦状

サイバースペースからの挑戦状

 

 183 フィッシャー『資本主義リアリズム』 

資本主義リアリズム

資本主義リアリズム

  • 作者: マークフィッシャー,セバスチャンブロイ,河南瑠莉
  • 出版社/メーカー: 堀之内出版
  • 発売日: 2018/02/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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先崎彰容著『違和感の正体』(2016)

 

違和感の正体 (新潮新書)

違和感の正体 (新潮新書)

 

メディアや知識人によって語られる今どきの「正義」、何かがおかしい。どうも共感できない。デモ、教育、時代閉塞、平和、震災など、現代日本のトピックスをめぐり、偉大な思想家たち―網野善彦福澤諭吉吉本隆明高坂正堯江藤淳―らの考察をテコに、そんな「違和感」の正体を解き明かす。善悪判断の基準となる「ものさし不在」で、騒々しいばかりに「処方箋を焦る社会」へ、憂国の論考。

デモ論―「知識人」はなぜ舐められるのか
差別論―何が「自由」を衰弱させるか
教育論―「権威とサービス」は両立するか
時代閉塞論―「新しいこと」などあるものか
近代化論―「反知性主義」を批判できるか
平和論―「勢力均衡の崩壊」にどう向き合うか
沖縄問題論―「弱者」への同情は正義なのか
震災論―「自己崩壊の危機」をどう生き抜くか

 

ブレイディみかこ, 松尾匡, 北田暁大著『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう-レフト3.0の政治経済学』(2018)

 

日本のリベラル・左派の躓きの石は、「経済」という下部構造の忘却にあった!アイデンティティ政治を超えて、「経済にデモクラシーを」求めよう。バージョンアップせよ、これが左派の最新型だ!

第1章:下部構造を忘れた左翼
第2章:「古くて新しい」お金と階級の話
補論1:来るべきレフト3.0に向けて
第3章:左と右からの反緊縮の波
第4章:万国のプロレタリアートは団結せよ!
補論2:新自由主義からケインズ、そしてマルクス

 85 ブレイディみかこ『労働者階級の反乱』