ジョセフ・ヒース著, 栗原百代訳『啓蒙思想2.0-政治・経済・生活を正気に戻すために』(2014=2014)

 

啓蒙思想2.0―政治・経済・生活を正気に戻すために

啓蒙思想2.0―政治・経済・生活を正気に戻すために

 

いまや西洋世界は〈右翼と左翼〉ではなく、〈狂気と正気〉に分断されている。民主主義や市場経済といった近代社会の礎が危うくなってきている。状況を打開するためには、〈啓蒙思想〉の再起動が必要だ――旧来の啓蒙思想の行き詰まりを保守主義の再評価や認知科学行動経済学などへの参照を通して反省し、理性と直感、知と情を束ねる新たな世界観を提示する。気鋭の哲学者の渾身の1冊。

序章 頭vs心

第1部 古い思考、新しい思考
第1章 冷静な情熱 理性――その本質、起源、目的
第2章 クルージの技法 あり合わせの材料から生まれた脳について
第3章 文明の基本 保守主義がうまくいく場合
第4章 直観が間違うとき そして、なぜまだ理性は必要か
第5章 理路整然と考えるのは難しい 新しい啓蒙思想の落とし穴と課題

第2部 不合理の時代
第6章 世界は正気をなくしたか ……それとも私だけ?
第7章 ウイルス社会 心の有害ソフト
第8章 「ワインと血を滴らせて」 現代左派の理屈嫌い
第9章 走れ、フォレスト! 常識保守主義の台頭

第3部 正気を取り戻す
第10章 砲火には砲火を あるいは、なぜブタと闘うべきではないのか
第11章 もっとよく考えろ! その他の啓蒙思想からの無益な助言
第12章 精神的環境を守る 選択アーキテクチャーの再考
第13章 正気の世界への小さな一歩 スロー・ポリティクス宣言

エピローグ

謝辞
原註
訳者あとがき
索引