盛山和夫著『社会学の方法的立場ー客観性とはなにか』(2013)

現代社会の危機に,社会学はどのように応えることができるのか.ヴェーバー,デュルケム,シュッツなどの社会学方法論を検討しながら,現代社会が直面する課題にアプローチする学問的営みのあるべき姿を提唱し,社会学理論の再構築をめざす新たな挑戦.

1章 リスク社会における事実性と反照性
2章 社会的事実とは何か
3章 理念型という方法――ヴェーバーの「客観性」戦略
4章 シュッツにおける「客観性」の意味
5章 理解社会学の理論仮説――行為者と観察者
6章 弱い合理性の理論――強い合理性でも限定合理性でもなく
7章 階級の幻想
8章 公共社会学の理論構想
9章 事実/価値二分法の真実
10章 社会は反照的共同性からなる――社会学の方法的立場

168「日本のエスノメソドロジストたちにとっては、そうした方法よりも、単に既存の社会学的知見を括弧にくくること、常識的な見方を裏返してみて新たに見えてくるものの知的なおもしろさに関心があるようである。もしそうであるならば、それはなにもエスノメソドロジーの特権的楽しみであるわけではない、ということを述べておく必要がある」!