セオドア・グレイシック著,源河亨,木下頌子訳『音楽の哲学入門』(2013=2019)

 

アメリカの気鋭の研究者による、音楽の哲学および芸術の哲学の入門書。
単なる音と音楽の違い、音楽鑑賞に必要な知識、音楽と情動の関係、音楽経験がもたらすスピリチュアリティなど、古くから哲学・美学で議論されてきた問題をとりあげ、音楽を哲学的に考察する。
ベートーヴェンハイドンビートルズレッド・ツェッペリンキング・クリムゾンマイルス・デイヴィスジャコ・パストリアス、ラヴィ・シャンカル――クラシックからポピュラー音楽まで、豊富な例とともに音楽の本質に迫る。

音楽の哲学入門
目次
序文


第1章 耳に触れる以上のもの──音楽と芸術
 1 鳥の歌
 2 音楽であるもの/音楽的なもの
 3 「芸術」に関して
 4 音楽と文化
 5 美的側面
 6 文化、コミュニケーション、スタイル


第2章 言葉とともに/言葉なしに──理解して聴く
 1 教養なき知覚
 2 純粋主義
 3 言語と思考の交わり
 4 命題知と技能知
 5 音楽の四つの側面
 6 歴史、スタイル、美的性質
 7 芸術としての音楽、再考


第3章 音楽と情動
 1 しるしとシンボル
 2 表出と表出的性格
 3 ウタツグミ
 4 喚起説
 5 カルリの悲嘆、アメリカのジャズ、ヒンドゥスターニー・ラサ


第4章 超越へといざなうセイレーンの声
 1 実在の語りえなさ
 2 美から崇高へ
 3 ショーペンハウアーの音楽観
 4 崇高さは主観的なものか
 5 崇高さの経験
 6 例示


訳者あとがき
参考文献
索引