難波美喜「〈特集:行く・読む〉作法の社会学的研究に向けて : 記号学的分析による日常的場面における作法の評価からー山根一郎『作法学の誕生』」『KG社会学批評』4号, pp.81-83

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作法学の誕生 (椙山女学園大学研究叢書)

作法学の誕生 (椙山女学園大学研究叢書)

「もともと著者は作法というものを冷笑反発していたが、あるとき、作法に対する無知を露呈してしまったことを機に作法を習い、「小笠原宗家礼法総師範」を取得した。本書では、著者自身が実際に「小笠原宗家礼法」で学んだ教えを、ロラン・バルトが『モードの体系』(1967年)のなかで用いた記号学的分析のアプローチを用いて分析している」
「第三部では、女子大学生による電車内の乗客の振る舞いについての観察・評価のデータをもとに電車内という日常的な場面での禁忌・理想とされる振る舞いの構造や価値観をあぶり出すことをこころみている」
「中年女性で所作が好ましくないとより非美的評価度が高くなり、美人で所作も適切であればより美的評価が高くなるといった「光背効果」のバイアスもみられた」