蓮實重彦著『映画狂人、小津の余白に』(2001)

映画狂人、小津の余白に

映画狂人、小津の余白に

その後の小津論と、成瀬、清順、ロマンポルノetc.さらに…。映画と状況をめぐる、小津安二郎&日本映画エッセイの最新集大成。ますます万事快調の「映画狂人」シリーズ第5弾。

1 小津の余白に
 日本映画の黄金時代―溝口、小津、成瀬
 ひたいの誘惑 ほか
2 日本映画の転換期
 鈴木清順そしてその沈黙のなりたち
 加藤泰『陰獣』―単眼的世界のエロス ほか
3 レンフィルム、そしてロシア映画
 とうとうボリス・バルネットが登場した!
 ソ連映画の発見と鎮魂―レンフィルム祭 映画の共和国へ ほか
4 横断し、越境する映画
 グリフィスは、たえず「来たるべき」作家である―『イントレランス』について
 ラオール・ウォルシュ ほか

江藤茂博他編著『大学生のための文学レッスン 近代編』(2011)

大学生のための文学レッスン 近代編

大学生のための文学レッスン 近代編

10ジャンル、30の小説から「近代」を発見する新テキスト。「文学」に親しみ、参加する、待望のLesson本。

序章 今日、文学に出会う
恋愛
ファッション
学校
家族
自然
異界
病い
戦争
外国
メディア
終章 文学を楽しむ―あとがきにかえて

三島由紀夫潮騒

潮騒 (新潮文庫)

潮騒 (新潮文庫)

高村薫マークスの山
マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)

マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)

夏目漱石『それから』『三四郎
それから (新潮文庫)

それから (新潮文庫)

三四郎 (新潮文庫)

三四郎 (新潮文庫)

太宰治『斜陽』
斜陽 (新潮文庫)

斜陽 (新潮文庫)

水村美苗著『増補 日本語が亡びるとき: 英語の世紀の中で』(2008→2015)

日本語は、明治以来の「西洋の衝撃」を通して、豊かな近代文学を生み出してきた。いま、その日本語が大きな岐路に立っている。グローバル化の進展とともに、ますます大きな存在となった“普遍語=英語”の問題を避けて、これからの時代を理解することはできない。われわれ現代人にとって言語とはなにか。日本語はどこへいくのか。第8回小林秀雄賞受賞の意欲作が、大幅増補で待望の文庫化。

1章 アイオワの青い空の下で“自分たちの言葉”で書く人々
2章 パリでの話
3章 地球のあちこちで“外の言葉”で書いていた人々
4章 日本語という“国語”の誕生
5章 日本近代文学の奇跡
6章 インターネット時代の英語と“国語”
7章 英語教育と日本語教育

129「そもそも日本近代文学の存在が世界に知られたのは、日本の真珠湾攻撃を契機に、アメリカ軍が敵国を知るため、日本語ができる人材を短期間で養成する必要にかられたのが一番大きな要因である。アメリカの情報局に雇われた中でも極めて頭脳優秀な人たちが選ばれて徹底的に日本語を学ばされ、かれらがのちに日本文学の研究者、そして翻訳者となったのであった。エドワード・サイデンスティッカー、ドナルド・キーン、アイヴァン・モリスは海軍で、ハワード・ヒベットは陸軍で。ほぼ同世代で、戦前の日本に育ったスコットランド人のエドウィン・マックレランも、ワシントンの情報局で働いたあと翻訳者となった」
198 浮雲たけくらべ、にごりゑ、坊っちゃん三四郎、道草、銀の匙阿部一族渋江抽斎、歌行燈、或る女、濹東綺譚、春琴抄細雪
425 イルメラ日地谷・キルシュネライト 『私小説―自己暴露の儀式』

私小説―自己暴露の儀式

私小説―自己暴露の儀式