町田康著『きれぎれ』(2000→2004)

 

きれぎれ (文春文庫)

きれぎれ (文春文庫)

 

時空を超え、乱舞する言語。第123回芥川賞受賞作。浪費家、酒乱、趣味がランパブ通いの絵描きの俺。高校を中途で廃し、浪費家で夢見がちな性格のうえ、労働が大嫌い。金に困り、自分より劣る絵なのに認められ成功し、自分が好きな女と結婚している幼友達の吉原に借りにいってしまうが……。無数の吉祥天女が舞い踊っているかのような花吹雪の中、青空に向かって町田ワールドが炸裂する。 現実と想像が交錯し、時空間を超える世界を描いた表題作と、「人生の聖」の計2篇を収録。解説 「没落者の嘆きの歌」 池澤夏樹