石田英敬, 吉見俊哉, マイク・フェザーストーン編『デジタル・スタディーズ 第1巻 メディア哲学』(2015)

デジタル・スタディーズ1 メディア哲学

デジタル・スタディーズ1 メディア哲学

最高峰のメディア理論家たちによるマニフェストから本シリーズは始まる。20世紀の知的フロンティアを形成すると同時に、人文学、文化研究、社会理論の分野を学際的に開拓してきた「メディア論」研究。その成果を踏まえ、デジタル時代の〈メディア知〉としての次元をどのように切り開くことができるか。「メディアの哲学」の基礎を問い、メディアの知のアーキテクチュアを描き出す。

序章 知のデジタル転回(石田英敬
第1部 メディア・オントロジー
第1章 フィクションと「表象不可能性」(蓮實重彦
第2章 メディアの存在論に向けて(フリードリヒ・キットラー大宮勘一郎訳)
[対話コラム1]眼と耳/映像と音(キットラー×蓮實重彦)構成:中路武士
第2部 形而下的/形而上的
第3章 カタツムリの目的論=遠隔-論理(ベルナール・スティグレール/西 兼志訳)
第4章 われわれ自身のものならざる思考(バーバラ・マリア・スタフォード/星野 太訳)
[対話コラム2]注意の危機(スティグレール×スタフォード)構成:中路武士
第3部 ホモジェナイズド・メディア
第5章 技術的時間を生きる(生かす)こと(マーク・ハンセン/大橋完太郎訳)
第6章 リアリティ・マイニング、RFID、無限のデータの真なる恐怖(N・キャサリン・ヘイルズ/御園生涼子訳)
第7章 メディアアートとの対話(藤幡正樹石田英敬
[対話コラム3]RFIDメディアアート(ハンセン×ヘイルズ×藤幡正樹)構成:中路武士

●スタフォード論文
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脳は美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界

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象徴の貧困〈1〉ハイパーインダストリアル時代

象徴の貧困〈1〉ハイパーインダストリアル時代

阪口正二郎著『立憲主義と民主主義』(2001)

立憲主義と民主主義 (現代憲法理論叢書)

立憲主義と民主主義 (現代憲法理論叢書)

立憲主義」と「民主主義」との関係をどうみるべきかという問題が、アメリカで、そして日本の憲法学界で議論されている。司法審査と民主制、憲法改正等の論点に即して、「立憲主義」を再検討する、興味深い論考。

第一章 「立憲主義」をめぐるある対照
第二章 司法審査の正当性
第三章 原意主義
第四章 二元的民主政理論
第五章 プロセス理論
第六章 プリコミットメント論再訪
第七章 憲法をめぐる「守旧」と「改革」
第八章 ささやかな問題提起

34「原意主義とは…「…当該規定が憲法規範として制定された際に、当時の『人民』によって当該憲法規定の意味だwと理解されていたものが特権的地位を与えられるべきである」という主張である。

憲法訴訟の現状分析

憲法訴訟の現状分析

第3章 原意主義
民主主義と司法審査

民主主義と司法審査

135 イリィのプロセス理論で日本国憲法を解釈
二重の基準論

二重の基準論

166 立法者のエントレンチメント entrenchment、代表制における代理問題、立法者が人民の利益を無視して自己利益を優先する
224 スティーブン・ホームズ「消極的/積極的立憲主義
225「憲法典は権力を制約して専制を防ぐだけでなく、同時に権力を構築し、権力が社会的に望ましい目標に向かうよう教導し、社会の無秩序と私人による抑圧を防ぐものでもあり」「憲法典を単に(国家権力ないしは主権を)不可能にする装置としてではなく、それらを可能にする装置」
240「立憲主義があって初めて民主主義が可能になる」