阪口正二郎著『立憲主義と民主主義』(2001)

立憲主義と民主主義 (現代憲法理論叢書)

立憲主義と民主主義 (現代憲法理論叢書)

立憲主義」と「民主主義」との関係をどうみるべきかという問題が、アメリカで、そして日本の憲法学界で議論されている。司法審査と民主制、憲法改正等の論点に即して、「立憲主義」を再検討する、興味深い論考。

第一章 「立憲主義」をめぐるある対照
第二章 司法審査の正当性
第三章 原意主義
第四章 二元的民主政理論
第五章 プロセス理論
第六章 プリコミットメント論再訪
第七章 憲法をめぐる「守旧」と「改革」
第八章 ささやかな問題提起

34「原意主義とは…「…当該規定が憲法規範として制定された際に、当時の『人民』によって当該憲法規定の意味だwと理解されていたものが特権的地位を与えられるべきである」という主張である。

憲法訴訟の現状分析

憲法訴訟の現状分析

第3章 原意主義
民主主義と司法審査

民主主義と司法審査

135 イリィのプロセス理論で日本国憲法を解釈
二重の基準論

二重の基準論

166 立法者のエントレンチメント entrenchment、代表制における代理問題、立法者が人民の利益を無視して自己利益を優先する
224 スティーブン・ホームズ「消極的/積極的立憲主義
225「憲法典は権力を制約して専制を防ぐだけでなく、同時に権力を構築し、権力が社会的に望ましい目標に向かうよう教導し、社会の無秩序と私人による抑圧を防ぐものでもあり」「憲法典を単に(国家権力ないしは主権を)不可能にする装置としてではなく、それらを可能にする装置」
240「立憲主義があって初めて民主主義が可能になる」