長谷部恭男著『比較不能な価値の迷宮−リベラル・デモクラシーの憲法理論』(2000)

比較不能な価値の迷路―リベラル・デモクラシーの憲法理論

比較不能な価値の迷路―リベラル・デモクラシーの憲法理論

多様な価値のひとつとしての民主社会。その社会を維持し再生産するために憲法学の果たす役割とは。国家権力の正当性とその限界、および国家意思の形成手続である民主政に関するさまざまな見方とその帰結に関して検討する。

第1章 国家はそもそも必要なのか?
第2章 比べようのないもの
第3章 コモン・ローの二つの理解
第4章 文化の多様性と立憲主義の未来
第5章 理性の彼方の軽やかな希望
第6章 多数決の「正しさ」
第7章 それでも基準は二重である!
第8章 制定法の解釈と立法者意思
第9章 司法審査と民主主義の正当性
第10章 法の支配が意味しないこと
第11章 厳格憲法解釈論の本質と精神

107「最高裁判例は、二重の基準論を是認した上で、経済活動規制立法については、立法目的が消極的警察目的であるか、あるいは積極的政策目的であるかのより、異なる違憲立法審査基準が妥当するとしている」