古田徹也著『それは私がしたことなのか -行為の哲学入門』(2013)

 

自然法則に支配され,運に翻弄されているかに見える人間。意のままにならないこの世界で,われわれはどこまで自由なのか。「私」という不完全な行為者の意思,責任,倫理を問い直し,生きることの核心へと切り込む行為の哲学入門書。

それは私がしたことなのか――目次

はじめに

第1章 行為の意図をめぐる謎
1―1 「手をあげる」―「手があがる」=?
1―2 出来事を引き起こす心の働きとは何か
1―3 意図をめぐる問題―そもそも意図とは何か
1―4 機械の中の幽霊―ライルによる物心二元論批判
1―5 機械の―「心→脳」と巻
1―6 決定論を支持するかに見えたる一科学的な知見の検討
コラム・ 心身問題の行方

第2章 意図的行為の解明
2―1 意図と信念の諸特徴
2―2 心をめぐる「一人称権威」は何を意味するのか
2―3 心の「隠蔽説」を超えて
2―4 行為の理由と原因
2―5 心は身体の中には存在しない
2―6 意図せざる行為の存在
コラム・ 現代の英語圏の行為論の流れ

第3章 行為の全体像の解明
3―1 意図性の薄い行為―やむをえない行為、他人からの強制に従う行為
3―2 意図せざる行為・―「悪質な過失」について
3―3 意図せざる行為・―「純然たる過失」について
3―4 意図せざる行為・―悲劇と行為者性
3―5 意図せざる行為の全体像
3―6 行為の全体像
コラム・ 共同行為について

エピローグ 非体系的な倫理学
あとがき
索引