<言語が変われば、見る空の色も変わる>
古代ギリシャの色彩から、未開社会のひとびとの空間感覚、
母語が知覚に影響する脳の仕組みまでーー
言語が世界観を変える、鮮やかな実証。年間ベストブック、多数受賞!
プロローグ 言語と文化、思考
●Part(1)言語は鏡
◎第1章 虹の名前
>>ホメロスの描く空が青くないわけ
・「葡萄酒色の海」のミステリー
・古代ギリシャ人は色弱だったのか◎第2章 真っ赤なニシンを追いかけて
>>自然と文化の戦い
・色感は進化する?
・キリンの首
・心の目◎第3章 異境に住む未開の人々
>>未開社会の色の認知からわかること
・色の違いと色の名前
・人類学のガリレオ
・三つの思考実験◎第4章 われらの事どもをわれらよりまえに語った者
>>なぜ「黒・白、赤…」の順に色名が生まれるのか
・驚くべき発見
・制約のなかでの自由
・色彩を超えて◎第5章 プラトンとマケドニアの豚飼い
>>単純な社会ほど複雑な語構造を持つ
・文明の進んだ言語のほうが複雑か
・小さな社会のほうが複雑な語構造を持つ
・大きな社会ほど新しい音素が出現しやすい●Part(2)言語はレンズ
◎第6章 ウォーフからヤーコブソンへ
>>言語の限界は世界の限界か
・言語相対論
・フンボルト、登場
・「落ちる」という動詞のない世界
・ホピ族の時間感覚◎第7章 日が東から昇らないところ
>>前後左右ではなく東西南北で伝えるひとびとの心
・カンガルーとグーグ・イミディル語
・鼻を南に向けて泣く
・海側の頬にパン屑
・絶対方位感覚◎第8章 女性名詞の「スプーン」は女らしい?
>>言語の性別は思考にどう影響するか
・「ウーマン」は男性? 「飛行機」は植物?
・男性名詞・女性名詞の影響を確かめる実験
・言語の性別、その豊穣な世界◎第9章 ロシア語の青
>>言語が変われば、見る空の色も変わるわけ
・日本のアオ信号
・脳を覗いてみるエピローグ われらが無知を許したまえ