横倉祐貴,ジェフリ・フォーセット,土井琢身,瀧雅人著,初田哲夫,坪井俊編『数理は世界を創造できるか-宇宙・生命・情報の謎にせまる』(2021)

 

数理的な視点で探ると新たな世界がみえてくる!? ブラックホールにリンゴを入れるとどうなるの? ヒトの設計図はゴミくずだらけ? この世の物質の究極の構造は? 深層学習によって難攻不落な問題を解決できるの? ドキドキワクワクの研究の最前線へようこそ.

はじめに(初田哲男)

第1章 蒸発するブラックホール内部への旅――思考実験で遊ぶ現代物理学(横倉祐貴)
 1.1 旅の始まり
 1.2 情報問題――ブラックホールに入ったリンゴはどうなるのか?
 1.3 熱と時間――蒸気機関から時間の矢へ
 1.4 時間と空間の融合――若きアインシュタインの疑問
 1.5 量子力学――非常識な存在性と奇妙な世界
 1.6 一般相対性理論――時空は動く物理的実体である
 1.7 ブラックホール内部への旅――時空の真の姿を求めて
 1.8 未来への旅

第2章 複雑で多様な生物を文字と記号で表してみる――ゲノム科学と生物の進化(ジェフリ・フォーセット)
 2.1 はじめに――生物はそんな単純じゃないとかいわずに読んでみて
 2.2 文字にしたらどんないいことがあるの?――すべての生命に共通の言語
 2.3 文字と記号にしてしまえばどんな生物も一緒――すべての生命に共通の原理・原則
 2.4 文字と記号にしたら数学者がいっぱい釣れた――生命の多様性を説明する理論
 2.5 文字の並びだけじゃつまらんって!?――ゲノムから見た生命の多様性と不思議
 2.6 文字の並びだけじゃわからんって!?――ゲノムデータから知識を抽出するには
 2.7 文字数多いけどよく見たらコピペばっかり――DNAの重複と生物の進化
 2.8 おわりに――実際には生物はもっともっともっと複雑で

第3章 スパコンで解き明かす物質の究極構造――素粒子理論と計算科学(土井琢身)
 3.1 物質の謎を追い求めて
 3.2 極微の世界の秘密――原子の構造と量子力学
 3.3 原子核の謎――湯川理論の誕生
 3.4 対称性と保存則――数理の力で法則を探る
 3.5 物質の根本理論――クォークグルーオン量子色力学
 3.6 数理を支える計算の世界――スパコンはなぜ速いのか
 3.7 計算を支える数理の世界――高速アルゴリズムの驚異の力
 3.8 素粒子からひもとく原子核の謎――数理と計算で解き明かす
 3.9 20XX年宇宙の旅――クォークから原子核,そして宇宙へ

第4章 AIは賢くなるか――深層学習と情報科学(瀧 雅人)
 4.1 知識を抽出するツール――機械学習
 4.2 予言マシンをつくろう――機械学習
 4.3 学習――勾配降下法とバックプロパゲーション
 4.4 深層学習へのブレークスルー
 4.5 まだまだ深層学習は研究途上
 4.6 テクノロジーを支える数学

おわりに(坪井 俊)