マイケル・ルイス著, 渡会圭子, 東江一紀訳『フラッシュ・ボーイズー10億分の1秒の男たち』(2014=2014)

 

二〇〇七年のある日、ウォールストリートの二軍カナダロイヤル銀行のブラッド・カツヤマは、さっきまで画面にあった売り注文が、買いのボタンを押すと、蜃気楼のように消えてしまうことに気がついた。その謎をとこうとパズルのピースをあわせて見えてきたのは、コンピュータ化された市場で常態化した巨大な八百長、ミリ秒、マイクロ秒、そしてナノ秒のしのぎを削って私たちを先回りするフラッシュ・ボーイズの姿だった。唖然、呆然、これでは一般投資家は絶対に勝てない。

序章 幻想のウォール街/ 第1章 時は金なり/ 第2章 取引画面の蜃気楼/ 第3章 捕食者の手口/ 第4章 捕食者の足跡を追う/ 第5章 ゴールドマン・サックスは何を恐れたか?/ 第6章 新しい取引所をつくる/ 第7章 市場の未来をかいま見る/ 第8章 セルゲイはなぜコードを持ち出したか?/ 終章 光より速く