吉見俊哉著『アフター・カルチュラル・スタディーズ』(2019)

 

アフター・カルチュラル・スタディーズ

アフター・カルチュラル・スタディーズ

 

〈文化〉と〈政治〉をめぐる問いを深化させてきたカルチュラル・スタディーズの大いなる蓄積の後に、どのような批判的な知を構築し直せるのか? そして、新自由主義により社会が分断され、現実の基盤が崩壊するなかで、どのような知を追い求めればいいのか? 〈連帯〉へと向かう、挑戦の書。

序 章 トランプ時代のカルチュラル・スタディーズ――再定義の試み

第Ⅰ部 越境する文化
Ⅰ-1 岐路に立つカルチュラル・スタディーズ
Ⅰ-2 サブカルチャーと差異の政治
Ⅰ-3 ポストモダニティとほつれゆく文化
Ⅰ-4 問いとしての政治的身体
Ⅰ-5 カルチュラル・スタディーズの旅は続く――追悼・スチュアート・ホール
Ⅰ-6 東アジアのCultural Studiesとは何か
Ⅰ-7 カルチュラル・スタディーズグラムシの対話をめぐって

第Ⅱ部 抗争する文化
Ⅱ-1 「アメリカの世紀」の終わり
Ⅱ-2 「アメリカ」を欲望/忘却する戦後――「基地」と「消費」の屈折をめぐって
Ⅱ-3 東アジアにおける「アメリカ」という日常意識
Ⅱ-4 誰が「沖縄」を消費するのか
Ⅱ-5 アメリカニズムとは何か――古矢旬『アメリカニズム』を読む
Ⅱ-6 アメリカの終わりと日本の末路――二一世紀はどんな時代か

第Ⅲ部 共振する文化
Ⅲ-1 皇居前から国会前へ――戦後日本と〈街頭の政治〉の転回
Ⅲ-2 「セゾン文化」とは何だったのか
Ⅲ-3 まなざしの檻 見ることの権利――見田社会学と可視性の政治
Ⅲ-4 鶴見良行アメリカ――もうひとつのカルチュラル・スタディーズ
Ⅲ-5 カルチュラル・タイフーンの翼に乗って

エピローグ 劇つくりの越境者――追悼・如月小春

参考文献
あとがき
人名・団体名索引