石田英敬,東浩紀著『新記号論 -脳とメディアが出会うとき』(2019)

 

現代人はつねにネットワークに接続されている。それはなにを意味するのか。二人の哲学者が、記号論という名の古くて新しいプロジェクトをいま再起動する―。先史時代の洞窟壁画から最新の脳科学までを貫き、ヒトと機械のインターフェイス=境界面の本質を明らかにする、スリリングな知的冒険!ゲンロンカフェ発、伝説の白熱講義を完全収録.

はじめに 東浩紀
講義 石田英敬+東浩紀

第1講義 記号論脳科学
メディア論の問い/なぜ記号論は廃れたのか/現代記号論の限界/技術的無意識の時代/フッサールは速記で考えた/チャンギージーの発見/ヒトはみな同じ文字を書いている/ドゥアンヌの読書脳/ニューロンリサイクル仮説/一般文字学はなにをすべきか

第2講義 フロイトへの回帰
不思議メモ帳の問題/語表象と対象表象/『夢解釈』読解における新発見/意識はどこにあるのか/夢のシネマ装置/超自我は聴覚帽の内在化である/人文学の危機/ライプニッツに帰れ/アンドロイドは電気羊の夢を見る/ドリームデコーディング/夢の危機と夢見る権利


第3講義 書き込みの体制(アウフシュライベジステーム)2000
1 情動と身体――スベテが「伝わる」とき
フロイトとスピノザ/ダマシオ『スピノザを探して』/『神経学的判断力批判』の可能性
2 記号と論理――スベテが「データ」になるとき
記号のピラミッドと逆ピラミッド/パースとデリダ/人工知能の原理/記号接地問題/ふたつの現象学
3 模倣と感染――スベテが「ネットワーク」になるとき
スピノザと模倣/光学モデルの限界/資本主義の四つの柱/なぜ記号論か/六八年革命の評価/
タルドとドゥルーズ=ガタリ/書き込みの体制2000にどう向き合うか

 

補論 石田英敬
4つの追伸 ハイパーコントロール社会について
文字学、資本主義、権力、そして自由

おわりに 石田英敬

 68 ウルフ『プルーストイカ

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?
 

 68 チャンギジー『ヒトの目、驚異の進化』

89 石田「新井紀子先生のような、まともな人工知能研究者が」!  

124 スタニスラス・ドゥアンヌ『数覚とは何か?―心が数を創り、操る仕組み』

129 カトリーヌ・マラブー『新たなる傷つきし者: フロイトから神経学へ 現代の心的外傷を考える』

197 ジョナサン・クレーリー『24/7 :眠らない社会』

24/7 :眠らない社会

24/7 :眠らない社会

 

250 日本経済新聞 「『私』が奪われる」日本経済新聞本文

280 伊藤守『情動の社会学 ―ポストメディア時代における“ミクロ知覚"の探求―』 

情動の社会学 ―ポストメディア時代における“ミクロ知覚"の探求―

情動の社会学 ―ポストメディア時代における“ミクロ知覚"の探求―

  • 作者:伊藤守
  • 発売日: 2017/10/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

310 石田「そして、四つ目の柱が「マーケティング」のは発明です。こちらは一般にはあまりよく知られていない。マーケティングの立役者はエドワード・バーネイズで、かれはフロイトの甥なんですね」「フロイトの甥が、まさに伯父さんであるフロイトの集団心理学とギュズターヴ・ル・ボンとかウィルフレッド・トロッターの群衆心理学を応用して、マーケティングというテクノロジーを生み出したんですよ」

424 ジルベール・シモンドン『個体化の哲学: 形相と情報の概念を手がかりに』