佐藤義之著『「心の哲学」批判序説』(2020)

 

「心の哲学」批判序説 (講談社選書メチエ)

「心の哲学」批判序説 (講談社選書メチエ)

  • 作者:佐藤 義之
  • 発売日: 2020/04/10
  • メディア: 文庫
 

認知科学神経科学の隆盛によって、あらためて注目を浴びる「心の哲学」は、奇妙な主張をしている。「意識は物質世界の一領域である」「意識は自由な意思決定能力をもたない」本書はこういった議論に真っ向から対峙する。現象学的立場と進化論的議論から、心理学的意識と現象学的意識の本質、起源、その有用性の検証へ――。繊細にして雄大な、意識世界を辿る。

第一部 「心の哲学」との対決  

序 可能性の議論への違和感   
第一章 意識は無用か  
第二章 意識の有用性  
第三章 心は物質に宿る──スーパーヴィニエンス──  
第四章 運命を知りえぬことが、自由を私たちに残さないか  
第五章 意識は瞬間ごとに死ぬ?──ひとつの懐疑──    
第六章 意識とは誤解の産物である──消去主義の検討──   
第七章 「物理世界は完結し、心の働きかけを許さない」と言えるのか  

二部 意識は本当はどういうものか

第八章 意識の実像──ふたつの実存とふたつの視覚経路──
第九章 実践的意識が見る世界
結論