AI(人工知能)が人間の仕事を奪う――これは「古くて新しい問題」です。馬車は自動車になり、工場はオートメーション化される。技術(テクノロジー)は、いつの時代も仕事を変えるのです。では、AIのインパクトは、これまでの機械化と同じなのか、決定的に違うものなのか。「労働」概念自体から振り返り、資本主義そのものへの影響まで射程に入れて検討します。
はじめに
1 近代の労働観
労働とは何か
アダム・スミス
G・W・F・ヘーゲル
カール・マルクス(1) 疎外された労働
ジョン・ロック
カール・マルクス(2) 生産/コミュニケーション
カール・マルクス(3) 疎外の複層性2 労働と雇用
雇用・請負・委任(1)
雇用の二極
資本主義と雇用
雇用・請負・委任(2)
リスクと労働
資本家の労働
労働と財産
産業社会論(1)
産業社会論(2)3 機械、AIと雇用
AI化の前に
AIブーム概説
AIと生産現場の変化
経済学と機械――古くて新しい問題
労働市場の不完全性
物的資本と人的資本
コンピューター
技術変化・機械化の経済学
機械化・AI化と雇用
技能偏向型技術変化4 機械、AIと疎外
疎外再び
資本主義と官僚制
物神性
物象化はそう悪くもない?
人工知能はどこまで新しいか
人工知能の「人間」化?
5 では何が問題なのか?
「人/物」二分法の解体
徳と身分
人と動物、動物としての人
AIと身分制
Internet of Things
第二の自然
人と動物の間、そしてAIエピローグ AIと資本主義
AIと「資本主義と社会主義」
そもそも「資本主義」とは何か? を少し論じてみる
グローバリゼーションと情報通信革命
AIと資本注
あとがき