中山康雄著『現代唯名論の構築-歴史の哲学への応用』(2009)

 

現代唯名論の構築―歴史の哲学への応用 (現代哲学への招待)

現代唯名論の構築―歴史の哲学への応用 (現代哲学への招待)

 

中世の普遍論争も踏まえ、存在、主体、意味、心といった近現代の哲学のテーマを総ざらい、メレオロジーなど最新の手法も駆使して「唯名論」というひとつの立場から再構築し、さらに物語と歴史という新たな地平に乗り出していく壮大な思考実験。近現代哲学の主要テーマとその論理的背景が簡潔に整理されて提示されるので、西洋哲学とは何かをざっと知りたい人にもオススメでき、同時に、その斬新な視点からの分析は、哲学の本質を追究したいディープな哲学ファンも唸らせる傑作。

第1部 唯名論的世界像

 世界と主体
 唯名論とメレオロジー
 唯名論存在論自然言語の意味論
 多元的言語論と物理主義
 事実の諸相
 心の哲学と物理主義
第2部 歴史叙述という語りの分析

 歴史叙述の位置付け
 時間と歴史
 歴史叙述の唯名論的分析