庄司克宏著『欧州ポピュリズム−EU分断は避けられるか』(2018)

欧州ポピュリズム (ちくま新書)

欧州ポピュリズム (ちくま新書)

欧州連合(EU)が、ポピュリズム危機に揺れている。反移民の声は衰えず、ポピュリズム政党への支持は増え続けている。中東欧では政権を担う党すら現れた。いまや、欧州の政治は左右対立ではなく、親EUの既成政党と反EUのポピュリスト政党という対立軸で動いているのだ。ポピュリズムの台頭を招いた要因はなにか。EUの基本理念であるリベラリズムは守られるのか。その統治機構や政策から分析する。

はじめに 欧州ポピュリズムの衝撃
第1章 欧州ポピュリズムとは何か
第2章 EUとはどのような存在なのか
第3章 欧州ポピュリズムはなぜ出現したのか
第4章 欧州ポピュリズムはEUに何をもたらすのか
第5章 リベラルEUのゆくえ―どう対応するのか

126 コペンハーゲン・ジレンマ:コペンハーゲン基準はEU加盟の条件ではあるが、EU加盟継続の条件ではない。EU加盟後に加盟国が人権・民主主義・法の支配に違反した場合にEUが介入する権限がほとんどないため、EUが実行的に対処する手段がない。
174 準アラカルト欧州:合意分野でEUの権限強化、それ以外では権限を加盟国に返還
180 アラカルト欧州