ジュリアン・バッジーニ, ピーター・フォスル著, 廣瀬覚, 長滝祥司訳『哲学の道具箱』(2003=2007)

哲学の道具箱

哲学の道具箱

哲学の道具箱』は、すぐれた論証を構成するには何が大切かという問題意識から編まれた、カジュアルなスタイルの哲学用語集。誰もがなんとなく使っている「偶然と必然」、「客観的と主観的」から、専門家以外には見落とされがちな「現象を救う」や「タイプとトークン」など、ユニークで斬新な項目からなる。
古来、哲学者たちのもっとも得意とすることは、さまざまな概念を駆使して議論をすることであった。本書はそうした哲学者たちが使う代表的な道具たちについてのわかりやすい解説書である。本書の著者は、哲学教育や哲学を一般のひとたちにも親しみやすいものにすることをとても強く意識した仕事を積み重ねてきている専門家である。高校生や大学生、一般の読者の方々も、本書を手に取れば、哲学の概念やおもしろい議論のしかけに親しむことができるであろう。

第1章 論証の基本ツール
第2章 その他の論証ツール
第3章 論証評価のツール
第4章 概念的区別のツール
第5章 ラジカルな批判のためのツール
第6章 極限のツール