エルンスト・カッシーラー著, 宮田光雄訳『国家の神話』(1946=1960→2018)

国家の神話 (講談社学術文庫)

国家の神話 (講談社学術文庫)

「シンボル(象徴)」を軸にして科学、哲学、文化論を横断する数々の大著をものした、比類なき碩学エルンスト・カッシーラー(一八七四‐一九四五年)。彼は祖国ドイツでナチス政権の支配が頂点を迎えつつあった一九四一年、ついに長らく封印していた主題である「国家」を取り上げる。遺著となった本書は現代世界を根本から考えるための必読書である。

第一部 神話とは何か
 第一章 神話的思惟の構造
 第二章 神話と言語
 第三章 神話と情動の心理学
 第四章 人間の社会生活における神話の機能
第二部 政治学説史における神話にたいする闘争
 第五章 初期ギリシア哲学における《ロゴス》と《ミュトス》
 第六章 プラトンの『国家』
 第七章 中世国家理論の宗教的および形而上学的背景
 第八章 中世哲学における法治国家の理論
 第九章 中世哲学における自然と恩寵
 第十章 マキャヴェッリの新しい政治学
 第十一章 マキャヴェッリ主義の勝利とその帰結
 第十二章 新しい国家理論の意味
 第十三章 ストア主義の再生と《自然法》的国家理論
 第十四章 啓蒙哲学とそのロマン主義的批判者
第三部 二十世紀の神話
 第十五章 準 備:カーライル
 第十六章 英雄崇拝から人種崇拝へ
 第十七章 ヘーゲル
 第十八章 現代の政治的神話の技術
結 語
訳 註
訳者解説
学術文庫版訳者あとがき
人名・作品名索引