三谷太一郎著『日本の近代とは何であったか―問題史的考察』(2017)

政党政治を生み出し、資本主義を構築し、植民地帝国を出現させ、天皇制を精神的枠組みとした日本の近代。バジョットが提示したヨーロッパの「近代」概念に照らしながら、これら四つの成り立ちについて論理的に解き明かしていく。学界をリードしてきた政治史家が、日本近代とはいかなる経験であったのかを総括する堂々たる一冊。

序章 日本がモデルとしたヨーロッパ近代とは何であったか
第1章 なぜ日本に政党政治が成立したのか
 政党政治成立をめぐる問い
 幕藩体制の権力抑制均衡メカニズム ほか
第2章 なぜ日本に資本主義が形成されたのか
 自立的資本主義化への道
 自立的資本主義の四つの条件 ほか
第3章 日本はなぜ、いかにして植民地帝国となったのか
 植民地帝国へ踏み出す日本
 日本はなぜ植民地帝国となったか ほか
第4章 日本の近代にとって天皇制とは何であったか
 日本の近代を貫く機能主義的思考様式
 キリスト教の機能的等価物としての天皇制 ほか
終章 近代の歩みから考える日本の将来
 日本の近代の何を問題としたのか
 日本の近代はどこに至ったのか ほか