デイヴィドソン 「言語」なんて存在するのだろうか シリーズ・哲学のエッセンス
- 作者: 森本浩一
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/08/31
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コミュニケーションの原理を見通す。ことばによって他者を理解するとはどういうことか。解釈の賭を通じて生み出される合意。それを可能にするのは言語能力ではなく生きることへの熟練である。
第1章 言語哲学は意味をどう扱うか
意味とは何か
「ふたり」のコミュニケーション
第2章 真理と解釈の第一次性
真理条件という考え方
寛容の原理
第3章 コミュニケーションの哲学へ向けて
解釈のプロセス
言語非存在論
第4章 「言語」ではなく数多くの言語が存在する
意図と規約
デリダとデイヴィドソン
25「文が意味を持つということは、それが世界内の何らかの事態に差し向けられているということであり、そのことによってわれわれは世界について「語る」ことができる。言語とわれわれと世界との関係の結節点にあるのが「真である」という述語です。それは、この意味論の枠組の中で、先行する何か別の概念によって定義することができない基本的な述語として使用されるものです。「真である」を未定義の原初的述語として利用するという天に、真理条件から意味を説明しようとする議論のきわめて重要な特徴があります。
後にデイヴィドソンは、この「真である」(=真理)の定義不可能な先行性を、自らの議論のかなめとして戦略的に利用することになります」
41「少しわかりにくいところですが、要は、そのつど真理条件の確定がいかに経験的でアドホック(場当たり的)なものだとしても、解釈は必ずそうした構造を「見越して」いることになる、ということです。「意味の理論」とは、その言語の可能なあらゆるT-文を羅列したものではなく、可能なあらゆるT-文を生み出すことができるような一定のシステムのことです」
44 飯田隆『言語哲学大全IV 真理と意味』「「意味の理論」の実際の探求がどういうものになるかは…などからうかがうことができます」
- 作者: 飯田隆
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2002/09/01
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こうして、他者の言語を理解するという出来事が、T-文の解釈、つまり「真である」という無定義述語を活用して文と事態を連結するプロセスとして説明されます」