- 作者: ドナルドデイヴィドソン,服部裕幸,柴田正良
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 1990/03/01
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行為の因果説を普及させ、行為文の論理形式の分析や心身問題における非法則的一元論の提唱など、新鮮な問題提起により現代哲学を常に震撼させてきたデイヴィドソンの初訳。
日本語版への序
序
凡例
I 意図と行為
第一章 行為・理由・原因
第二章 意志の弱さはいかにして可能か
第三章 行為者性
第四章 意図すること
II 出来事と原因
第五章 行為文の論理形式
批判・注釈・擁護
第六章 因果関係
第七章 出来事の個別化
III 心理学の哲学
第八章 心的出来事
付録 エメバラの名が何と変わろうとも
第九章 哲学としての心理学
注釈と応答
訳者解説[服部裕幸]
訳者あとがき
参考文献
索引
73「しかし、われわれが行為者に帰属させるすべての出来事が、彼が行為者となっている別の出来事によって惹き起こされたものとして説明されうるわけではない。すなわち、いくつかの行為は、その同じ行為者による行為と因果的に関係づけられることによっては分析できないという意味において、原初的(primitive)でなければならないのである。しかしその場合、行為者と原初的行為との関係を説明するために、出来事因果性を先ほどのような仕方で用いることはできない」「もし身体運動という概念を寛大に解釈するならば、すべての原初的行為は身体運動である、という主張に対する一つの論拠を得ることができる。この寛大さは、一歩も退かないといった「運動」や、決定するとか計算するといった心的行為を含むほどに、十分おおらかなものでなければならない」「しかしながら、指さすとか靴紐を結ぶなどのような日常的行為において、原初的行為が身体運動であることを示すのは重要である」
90「さて今や、われわれは、行為者と彼の行為についての問題に戻ることができよう。われわれが到達した否定的な結論は次のようなものである。すなわち、原因の概念はこの関係と直接何の関わりももっていない。ある行為aがある結果を生じさせるという知識によって、われわれは当の行為者をその結果の原因として記述することができるが、しかし、これはaを記述する一つの便利な方法にすぎず、すでに見たように、”aそのもの”にとっては、彼が原因であると述べることには何の意味もないのである。因果性によってわれわれは、他の出来事なら再記述できないような仕方で行為を再記述することができる。この事実は行為の徴表ではあるが、行為者性の分析を何ら提供するものではない」
土井『友だち地獄』
- 作者: 土井隆義
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