網谷祐一著『理性の起源ー賢すぎる、愚かすぎる、それが人間だ』(2017)

理性があることは進化で有利なのか。どのようなかたちの理性が進化したのだろうか。最新の諸科学の成果をふまえながら、ヒトらしさの根源に迫る知的エンタテイメント。

序章 理性はなぜ進化論の問題になるのか
 1 なぜ理性なのか
 2 理性って何?
 3 理性はなぜ進化論の問題になるのか
 4 理性の起源がなぜ哲学の問題になるのか
 5 本書の構成
第1章 進化と理性の二つの問題
 1 五分でわかるダーウィン進化論の基礎
 (1) 自然選択の仮想例——シマウマの足の速さ
 (2) いくつかの注意
 2 自然選択説は人間行動をどう説明するか
 (1) つわりの進化
 (2) ストリップバーでのチップの額を進化から説明する
 3 理性が進化したと考えてよい二つの理由
 4 理性が進化したと考えるときに残る二つの問題
第2章 そもそも人間は理性的なのか
 1 論理・確率クイズ——なぜこんな問題を間違うのか
 2 人間はほんとうに理性的か——四つの回答
 〈ボックス① リンダ問題の亜種〉
第3章 理性は本当に進化で有利なのか
 1 理性は自然選択で進化する
 2 理性は自然選択で進化するとは限らない
 3 理性をモデル化すると……やっぱり理性は進化できる
 (1) どういうときに理性的に学ぶことが有利になるのか
 (2) 推論能力の進化をモデル化する
第4章 どのようなかたちの理性が進化したか
 1 人間はどのように理性的か——シンプル・イズ・ラショナル?
  〈ボックス②〉 〈テイク・ザ・ベスト〉ヒューリスティック
  2 それではシンプルすぎる 
 (1)ヒューリスティックスだけでは人間の理性は捉えられない
 (2)複雑な世界、あるいは駆け引きの問題
 3 一つの脳に二つの理性——二重過程説
 (1) 二つのプロセスの性質
 (2) 二重過程説への誤解——熟慮的理性を使うことがいつも正しいわけではない
 〈ボックス③〉 「理性」と「知能」の区別
 4 「熟慮的理性」の進化
 (1) 熟慮的理性の基盤としての仮定的思考
 (2) 心的リハーサル
 (3) 心的リハーサルの利益とコスト
 (4) 心的リハーサルの進化——ヒトと類人猿との共通点
 (5) ヒトと類人猿との相違点
 〈ボックス④〉 理性の議論説
 〈ボックス⑤〉ヒト=儀礼する動物?
第5章 科学を生み出した理性
 1 狩猟採集民の「科学的」思考
 (1) 推測的トラッキング
 (2) 擬人化による推論
 2 科学的推論の基盤
  おわりに

109「もし理性が自然選択によって進化したとしたら、どのような形の理性が進化するだろうか。この章では右の問いへの答えとして、まずヒューリスティックと呼ばれる簡便的な思考法を使っていることが人間が理性的であることなのだ、というドイツの進化心理学者G・ギゲレンツァの説を紹介する。しかしこれには、人間の心の中では二つの種類の情報処理過程が働いているとする二重過程説(二重仮説とも呼ばれる)という強力な批判がある。この説はヒューリスティックを主に直観的情報処理過程(直観的理性)のはたらきとして解釈する。するともう一種類の情報処理過程(熟慮的過程)の進化が問題となる。これについては、特に熟慮的理性の大きな特徴とされる「仮定的思考」に焦点を当て、これを支える「心的リハーサル」という能力に理性の起源の核心がある可能性を指摘する」
111「ヒューリスティックとはなんだろうか。一言で言うと、これは複雑な問題を比較的単純な少数の手がかりからそこそこ満足のいく仕方で解決するために使う簡便法だ」
114 認識ヒューリスティック:自分が知っている選択肢をそうでないものよりも選ぶという戦略
115 生態学的理性:心理学の実験室の外で、実際に知的能力を使う環境で
115 限定合理性, ハーバート・サイモン
133 カーネマン『ファスト&スロー』

221 伊藤『人間的な合理性の哲学』岡部『合理的とはどういうことか』

人間的な合理性の哲学―パスカルから現代まで

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合理的とはどういうことか (講談社選書メチエ)

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長谷川『進化論とはなんだろうか』
進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書 (323))

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226 ボイド, シルク『ヒトはどのように進化してきたか』『心は遺伝子の論理で決まるのか』
ヒトはどのように進化してきたか

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心は遺伝子の論理で決まるのか-二重過程モデルでみるヒトの合理性

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