河野龍也他編著『大学生のための文学トレーニング―近代編』(2012)

大学生のための文学トレーニング 近代編―テキスト

大学生のための文学トレーニング 近代編―テキスト

文学理論を応用し、近代文学を楽しく学ぶトレーニングブック。「小僧の神様」(志賀直哉)、「鎌倉夫人」(国木田独歩)など、15の近代小説で、批評の方法論を具体的に学び、鑑賞できる。「テキスト」(学習)→「トレーニングシート」(課題)による能動的学習。

 はじめに / 本書の使い方
Section 1  文学理論の基礎概念
 1 作者は神様ではありません?! 志賀直哉小僧の神様
 2 視点が変われば世界が変わる 国木田独歩「鎌倉夫人」
 3 描写することと説明すること 横光利一「蠅」
 4 女の語り、狂気の語り 太宰治「千代女」
 5 探偵はあなたです  佐藤春夫「女誡扇綺譚」
Section 2  歴史のコンテクスト
 6 読者は時代とともに 森鷗外舞姫
 7 都市が生む欲望 田山花袋少女病
 8 私の記録、大衆の記憶 林芙美子「放浪記」
 9 〈同時代〉というレファレンス 坂口安吾「真珠」
 10 語りの遠近法 石川淳「焼跡のイエス
Section 3  活字の外側へ
 11 小説の本文の生成 夏目漱石坊っちゃん
 12 自筆原稿を読む 樋口一葉たけくらべ
 13 開化は踊る 芥川龍之介「舞踏会」
 14 テクストは誰のもの? 井伏鱒二山椒魚
 15 活字と挿絵の多重奏 谷崎潤一郎「蓼喰ふ蟲」