リチャード・ブローディガン著, 藤本和子訳『アメリカの鱒釣り』(1967=1975→2005)

アメリカの鱒釣り (新潮文庫)

アメリカの鱒釣り (新潮文庫)

二つの墓地のあいだを墓場クリークが流れていた。いい鱒がたくさんいて、夏の日の葬送行列のようにゆるやかに流れていた。――涼やかで苦みのある笑いと、神話めいた深い静けさ。街に、自然に、そして歴史のただなかに、失われた〈アメリカの鱒釣り〉の姿を探す47の物語。大仰さを一切遠ざけた軽やかなことばで、まったく新しいアメリカ文学を打ちたてたブローティガンの最高傑作。