小川さやか著『「その日暮らし」の人類学−もう一つの資本主義経済』(2016)

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)

「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)

わたしたちはしばしば、「働かない」ことに強くあこがれながらも、計画的にムダをなくし、成果を追い求め、今を犠牲にしてひたすらゴールを目指す。しかし世界に目を向ければ、そうした成果主義、資本主義とは異なる価値観で人びとが豊かに生きている社会や経済がたくさんあることに気づく。「貧しさ」がないアマゾンの先住民、気軽に仕事を転々とするアフリカ都市民、海賊行為が切り開く新しい経済・社会……。本書では、わたしたちの対極にあるそうした「その日暮らし、Living for Today」を人類学的に追求し、働き方、人とのつながり、時間的価値観をふくめた生き方を問い直す。

プロローグ Living for Todayの人類学に向けて
第一章 究極のLiving for Todayを探して
第二章 「仕事は仕事」の都市世界――インフォーマル経済のダイナミズム
第三章 「試しにやってみる」が切り拓く経済のダイナミズム
第四章 下からのグローバル化ともう一つの資本主義経
第五章 コピー商品/偽物商品の生産と消費にみるLiving for Today
第六章 <借り>を回すしくみと海賊的システム
エピローグ Living for Todayと人類社会の新たな可能性

23 古東『瞬間を生きる哲学』

瞬間を生きる哲学 <今ここ>に佇む技法 (筑摩選書)

瞬間を生きる哲学 <今ここ>に佇む技法 (筑摩選書)

27 ニューワース『「見えない」巨大経済圏』
「見えない」巨大経済圏―システムDが世界を動かす

「見えない」巨大経済圏―システムDが世界を動かす

35 エヴェレット『ピダハン』
ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観

ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観

39 サーリンズ『石器時代の経済学』
石器時代の経済学 (叢書・ウニベルシタス)

石器時代の経済学 (叢書・ウニベルシタス)

47 内山『時間についての12章』
時間についての十二章――哲学における時間の問題 (岩波人文書セレクション)

時間についての十二章――哲学における時間の問題 (岩波人文書セレクション)

セルトー『日常的実践のポイエティーク』
日常的実践のポイエティーク (ポリロゴス叢書)

日常的実践のポイエティーク (ポリロゴス叢書)

81 東『中国の不思議な資本主義』「「仕事は仕事」と「殺到する経済」」111 カーティン『異文化交易の世界史』
異文化間交易の世界史

異文化間交易の世界史

132 丸川『チャイニーズ・ドリーム』135 阿『中国モノマネ工場』
中国モノマネ工場

中国モノマネ工場

152 近森『無印都市の社会学165 小川『都市を生きぬくための狡知』
都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌―

都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌―

172 ナタリー・サルトゥー=ラジュ『借りの哲学』
借りの哲学 (atプラス叢書06)

借りの哲学 (atプラス叢書06)

203 デュラン, ベルニュ『海賊と資本主義』 
海賊と資本主義 国家の周縁から絶えず世界を刷新してきたものたち

海賊と資本主義 国家の周縁から絶えず世界を刷新してきたものたち

212 ハイド『トリックスターの系譜』
トリックスターの系譜 (叢書・ウニベルシタス)

トリックスターの系譜 (叢書・ウニベルシタス)