ロベール・カステル著『社会問題の変容―賃金労働の年代記』(1995=2012)

社会問題の変容 ―賃金労働の年代記―

社会問題の変容 ―賃金労働の年代記―

失業、労働条件の不安定化、新たな貧困、そして「負の個人主義」と社会的紐帯の喪失がもたらす社会の分断。これら今日の社会的危機の根源は何か。賃金労働の軌跡を14世紀から捉え返し、賃金労働社会と「社会的なもの」の成立の過程、そして福祉国家「以後」の現在の危機の根源を明らかにするロベール・カステルの記念碑的大著、待望の完訳。

 前書き
 比較のための覚え書き
第一部 後見から契約へ
 第一章 近接性に基づく保護
       第一次社会関係
       福音の伝説
       隣人はわが家族なり
       扶助の体系
 第二章 土地に縛られた社会
       一三四九年
       封建社会の転換
       この世に用なき者
       浮浪者とプロレタリア
       鎮圧、抑止、予防
 第三章 名もなき賃金労働者
       同業組合的規範
       同業組合の刻印
       規制労働と強制労働
       地を這う人びと
       賦役労働というモデル
 第四章 自由主義的近代
       大衆的脆弱性
       労働の自由
       「神聖にして不可侵の責務」
       分裂した権利
       ユートピア的資本主義
第二部 契約から身分規定へ
 第五章 国家なき政治
       憐れむべき人びと
       後見関係の回帰
       パトロナージュと経営者
       転倒したユートピア
 第六章 社会的所有
       新たな前提
       義務・強制という問題
       財産か労働か
       移転所得
 第七章 賃金労働社会
       新たな賃労働関係
       工場労働者という境遇
       失われた地位
       賃金労働という境遇
       成長する国家
 第八章 新たな社会問題
       とぎれた軌道
       社会的余剰人員
       参入支援、あるいはシジフォスの神話
       未来の危機
結論 負の個人主義
 訳者解説
 索引〔人名/事項〕

243 エンゲルス『イギリスにおける労働者階級の状態』

イギリスにおける労働者階級の状態―19世紀のロンドンとマンチェスター (上) (岩波文庫)

イギリスにおける労働者階級の状態―19世紀のロンドンとマンチェスター (上) (岩波文庫)