小林淳著『本多猪四郎の映画史 (叢書・20世紀の芸術と文学) 』(2015)

本多猪四郎の映画史 (叢書・20世紀の芸術と文学)

本多猪四郎の映画史 (叢書・20世紀の芸術と文学)

「特撮怪獣映画の巨匠」として数々の日本映画を手がけた監督・本多猪四郎は、その作品の中で常に時代を意識し、社会に対する鋭い問いをなげかけてきた。また、原子力の脅威を訴え続けてきたが、その根底には、戦争体験の中から得た彼の人間愛・ヒューマニズムが息づいている。今回は、普段あまりスポットの当たらない本多の人間ドラマを題材とした作品にも焦点を当て、初期から晩年まで、体系的に彼の作品を読み解いていく。伊福部昭との交流の中で、SF特撮映画に多大な影響を受けてきた著者が放つ本多猪四郎論の決定版! ! 〈巻末に劇場用映画監督作品リスト付き〉

1■第1章: 太平洋戦争と助監督修行のはざまで
2■第2章: 映画監督・本多猪四郎の誕生
3■第3章: 核開発が生み出した恐怖の水爆大怪獣
4■第4章: 空想科学映画の作り手として
5■第5章: ミステリアンの悲劇と人類の行く末
6■第6章: 核がもたらす人類の終焉、科学がいざなう人類の平和
7■第7章: 闇と影にうごめく男女の情念劇
8■第8章: 高度成長時代をうたう大怪獣映画と国家的SF映画
9■第9章: 1960年代初期の日本と日本人
10■第10章: 大娯楽怪獣映画の巨匠
11■第11章: 怪獣映画監督の作家性
12■第12章: 東宝フランケンシュタインの世界
13■第13章: 晩年期における映画監督活動
14■第14章: 1970年代から-本多猪四郎の映画が遺したもの
15*本多猪四郎 劇場用映画監督作品リスト

21 マダムと女房, 五所平之助
22 日活金曜会, 森岩雄, P.C.L.
30 山本嘉次郎, 本多の師
41 名匠級で企画段階から参加できた山本嘉次郎稲垣浩成瀬巳喜男五所平之助衣笠貞之助東宝撮影所システムに追従したエンタメ路線の小田基義、杉江敏男千葉泰樹渡辺邦男丸山誠治佐伯清鈴木英夫
52 1910年代 ブルーバード映画
グッドモーニング、ゴジラ ―監督本多猪四郎と撮影所の時代

グッドモーニング、ゴジラ ―監督本多猪四郎と撮影所の時代