渡邊啓貴「安全保障・戦略文化の比較研究」『国際政治』Vol. 2012 (2012) No. 167 p. 167_1-13

リンク
3「第三に、安全保障・戦略文化研究の方法論である。安全保障・軍事的事象において固有の文化がどのような影響を与えることができるのかどうか。何を研究対象として、その因果関係をどのように紐解いていくのか。その因果律や相関関係において主体的な独立変数と従属変数をどのように設定し、どのような方法論に結び付けていくのか。このような命題にこたえることは容易ではない。残念ながら、本特集号では明確な因果律を提示したり、その前提となる諸与件を明らかにするための方法論について、明確な論点の整理をした論考はない。むしろケーススタディ的な論考と叙述的な論考が大半を占めている」

戦略文化研究の第1,2,3世代
9「文化的要因が准法則的な因果律の主要因となるという(第1世代の)立場ではなく、むしろ「あくまでも行動主体が意思決定に際して自らの置かれた環境や自他の目標・意図や能力等を認識する際に意味や影響が与える広い意味での文脈(コンテクスト)である」という(第3世代の)グレイの立場」