アレキサンダー・ジョージ, アンドリュー・ベネット著『社会科学のケース・スタディ−理論形成のための定性的手法』(2005=2012)

社会科学のケース・スタディ―理論形成のための定性的手法

社会科学のケース・スタディ―理論形成のための定性的手法

社会科学では、事例研究をどのように進めて、どのように理論形成に結び付けるべきなのか?本書は、全米の大学で採用されている方法論の手引書。研究をより精緻にするための整合性手法、過程追跡、類型理論なども詳しく解説し、方法論への深い洞察を示す。研究デザインをつくるのに便利な補章「研究デザインの実例」も収録。

第1部 事例研究と社会科学
 事例研究と理論の形成
 事例研究手法と間民主国家平和論の研究)
第2部 どのように事例研究を行うか
 体系的重点比較法
 第1段階―事例研究のデザイン
 第2段階―事例研究の実施
 第3段階―事例による発見から理論への含意の導出
第3部 代替的手法とその諸問題
 事例研究と科学哲学
 比較手法―統制比較と事例内分析
 整合性手法
 過程追跡と歴史的説明
 比較分析と事例内分析の統合―類型理論
 事例研究と政策妥当性のある理論
 研究デザインの実例)

157「因果効果は、1個の独立変数のみを変化させるような完璧な実験を行うのが可能なときに、結果がどの程度変化するかについての期待値である」「「因果メカニズム」とは存在論的な因果プロセスに訴えるものであり、また、過程追跡は、因果メカニズムについての観察可能な事例内の含意を特定し、確認しようと試みる操作手順である」