野崎歓編著『文学と映画のあいだ』(2013)

文学と映画のあいだ

文学と映画のあいだ

読んだら観たくなる、観たら読みたくなる! とびきりの案内人たちと、世界の名作を巡る旅へ。文学作品の映画化を切り口に、世界の名作をめぐりながら、文学と映画の相互関係について東大文学部の教授陣が縦横に語る。各章末には、さらなる表現の旅へといざなう文学&映画案内付。

■文学と映画の「あいだ」を考える 文学から映画へ、映画から文学へ(野崎 歓)
■イギリス文学と映画 シェイクスピア黒澤明映画の文化的可能性(大橋洋一)
■フランス文学と映画1 新しい「言語」を求めて(野崎 歓)
■フランス文学と映画2 〈さすらい〉の詩学――マルグリット・デュラス『トラック』を中心に(塚本昌則)
■ドイツ文学と映画 異郷にて――ラング『ニーベルンゲン』とストローブ=ユイレ『階級関係』(宮田眞治)
ロシア文学と映画 アヴァンギャルドと古典の間の巨大な振幅
――ここでしか教えてもらえない、ロシア文芸映画を観る5つの効用(沼野充義)
■中国文学と映画 文化大革命を“活きる"――余華の小説『活きる』と張芸謀の映画『活きる』(藤井省三)
アメリカ文学と映画1 世界は映画で出来ている(柴田元幸)
アメリカ文学と映画2 ノワール小説とフィルム・ノワール(諏訪部浩一)
ラテンアメリカ文学と映画 革命を批評する文学と映画(野谷文昭)

●野崎論文
1, 19

他者という試練―ロマン主義ドイツの文化と翻訳

他者という試練―ロマン主義ドイツの文化と翻訳

3, 20
黒澤明の映画 (1979年)

黒澤明の映画 (1979年)

5
思想としての翻訳??ゲーテからベンヤミン、ブロッホまで

思想としての翻訳??ゲーテからベンヤミン、ブロッホまで

6 ボヴァリー夫人, ジャン・ルノワール
12 バルザック『あら皮』『ランジェ公爵夫人
18 マヌエル・プイグ, ダイ・シージエ
18
溝口健二の人と芸術 (現代教養文庫)

溝口健二の人と芸術 (現代教養文庫)

ミハイル・バフチン全著作〈第5巻〉小説における時間と時空間の諸形式 他―一九三〇年代以降の小説ジャンル論

ミハイル・バフチン全著作〈第5巻〉小説における時間と時空間の諸形式 他―一九三〇年代以降の小説ジャンル論

●大橋論文
41アポリネール『異端教組株式会社』
異端教祖株式会社 (白水Uブックス)

異端教祖株式会社 (白水Uブックス)

・ステイ, マーク・フォスター
●塚本論文
・トラック, マルグリット・デュラス
・ずっとあなたを愛してた, フィリップ・クローデル
フランス文学講義 - 言葉とイメージをめぐる12章 (中公新書)

フランス文学講義 - 言葉とイメージをめぐる12章 (中公新書)

●宮田論文
映画と国民国家

映画と国民国家

ファウスト, W・ムルナウ
・城, ミヒャエル・ハネケ
・階級関係, ストロープ=ユイレ
●沼野論文
・ストーン, アレクサンドル・ソクーロフ
●柴田論文
154「たとえば、1928年にソ連を訪れてセルゲイ・エイゼンシュテインとも意気投合し、自らの代表作『U.S.A.』(1938)に「カメラアイ」「ニューズリール」といったセクションを盛り込んだドス・パソス
157 武満徹『夢の引用』, 映画と夢の親近性
163「すぐれた映画評論家でもあるスティーヴ・エリクソン」「デビュー作の『彷徨う日々』。フランス革命の指導者ジャン=ポール・マラーをめぐる映画を何年も撮りつづける男ー大作『ナポレオン』を撮ったアベル・ガンスが明らかにモデルになっていますー」
彷徨う日々

彷徨う日々

アンジェラ・カーター「ジョン・フォードの『あわれ彼女は娼婦』」「17世紀英国最大の劇作家の一人と、20世紀米国最大の映画作家の一人が同じ名だという偶然を活用して、いわゆる小説的な地の文、映画シナリオふうの文」
ゼロヴィル

ゼロヴィル

夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇 (朝日文庫)

夜の姉妹団―とびきりの現代英米小説14篇 (朝日文庫)

囚人のジレンマ

囚人のジレンマ

幻影の書 (新潮文庫)

幻影の書 (新潮文庫)

179 殺人者, ロバート・シオドマク
175 フィルム・ノワール, マルタの鷹, 幻の女, 深夜の告白, 郵便配達は, 三つ数えろ, 湖中の女, 潜行者, 過去を逃れて, 夜の人々, 復讐は俺に任せろ, キッスで殺せ
185「20年代から30年代にかけてのアメリカ小説は、「アンダーステイトメント」を駆使した完成度の高いスリムな作品から、「ノイズ」の多い豊かな作品へとシフトしていったように思われます」