ジェフ・クルター著『心の社会的構成―ヴィトゲンシュタイン派エスノメソドロジーの視点』(1979=1998)

心の社会的構成―ヴィトゲンシュタイン派エスノメソドロジーの視点

心の社会的構成―ヴィトゲンシュタイン派エスノメソドロジーの視点

心や主観性は本質的に接近不可能ではない。心という概念の使用法を、日常相互行為=人々の実際のふるまいから解き明かす論理文法分析の企てをとおして、心とはいかなるものかを探究する。

第1章 人間行為の規範的基盤
第2章 心の透明性―主観的現象の分析可能性
第3章 基本的経験の表現
第4章 「考え」について考えること
第5章 感情と社会的コンテクスト
第6章 精神病の形而上学

75「理解は活動ではありえない。(まして、「心」の活動ではありえない)。なぜなら、理解していること、理解があること、これは達成された成果だからである」
78「理解していること、理解があることの基準は、私的で内面的な心的もしくは経験の状態・過程といったものではありえない。むしろそれは場面設定(シーン)にかかわるものでなければならない」
92「チョムスキー派心理言語学人工知能研究における認知の取り扱いは、まったく別の前提から出発しているようにみえる」解読規則、「内面」の表象、地図、アルゴリズムにしたがった推論。