四方田犬彦・堀潤之編『ゴダール・映像・歴史 ー『映画史』を読む』(2001)

ゴダール・映像・歴史―『映画史』を読む

ゴダール・映像・歴史―『映画史』を読む

ジャン=リュック・ゴダールが1980年代から90年代にかけて、ほぼ10年の歳月をかけて完成させた畢生の大作「映画史」をめぐって、日・仏・英の研究家がその是非を論じあう。映画研究の最前線。

序(四方田犬彦
『映画史』内容紹介(堀潤之)
第一部 歴史の哲学
 映画と歴史について(ジャン=リュック・ゴダール
 ゴダールが歴史=物語を作る(ジャン=リュック・ゴダール+セルジュ・ダネー
 世紀の日録から抜き取られたイマージュ(ジャン・ドゥーシェ
 歴史とパッション(マリ=ジョゼ・モンザン)
 映画的イマージュと世紀の痕跡 『映画史』の歴史叙述をめぐって(堀潤之)
第二部 記憶の政治学
 世紀の伝説(ジャン=リュック・ゴダール
 <<聖パウロ>>ゴダール対<<モーゼ>>ランズマンの試合(ジェラール・ヴァイクマン)
 相互衝突(ベルナール・チュミ)
 映画的身体を越えて 『映画史』における人間的感情とデジタルテクノロジー(ジェイムズ・ウィリアムズ)
第三部 映像の地政学
 不可視なものを示す機械(ベルナール・エイゼンシッツ
 映画とは何だったのか、ジャン=リュック・ゴダール? 『映画史』の内部とその 周辺における(複数の)映画の作用の一分析(マイケル・ウィット)
 パッチョロ(四方田犬彦
解題(堀潤之)

●堀論文
58「ゴダールは、ナラティヴを構築しない。彼は既成の諸ナラティヴの破片を蒐集し、それらを掛けあわせることで、いわばメタ的なトポス、歴史が累乗された〈歴史の歴史〉tpでも言うべきトポスに見を据えるのだ。それを可能にする方法がモンタージュであることは、言うまでもないだろう」
●ウィット論文
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不屈の精神

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