萩原康一郎「ポール・リクール『時間と物語』の虚構論としての可能性と限界」『藝術研究』(20), 1-16, 2007

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3『生きた隠喩』にてリクールは「隠喩的な言表からなる詩のことばと、叙事詩や小説に代表される物語のことばとを並行関係において捉える。前者が意味論的革新力や隠喩的指示作用を、感覚的・パトス的な領域において働かせるのに対して、後者はそれらを人間の行動(プラクシス)の領域において働かせる」
8「テクスト世界は、ことばによって「指示」されるのではなく、読解のなかで「想い描かれる」ことによって実現する。そこで開示された人間経験のあらたな可能性が、読者の住まう「今、ここ」の現実に投影される。このとき歴史の語る史的真実とフィクションの語る詩的真実とは、再形象化において重なり合い交叉する」

物語のディスクール―方法論の試み (叢書記号学的実践 (2))

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