浅野智彦著『自己への物語論的接近ー家族療法から社会学へ』(2001)

自己への物語論的接近―家族療法から社会学へ

自己への物語論的接近―家族療法から社会学へ

自己が物語的に構成される過程を理論的に考察する。とりわけ家族療法(物語療法)を参照しながら、これまでの社会学的自己論を物語論的な枠組へ書き換えようと試みる。

第1章 「自己」への物語論的接近
第2章 物語論の諸潮流
第3章 家族療法とその物語論的展開
第4章 社会学的自己論は物語療法に何を学ぶか
第5章 構成主義から物語論
第5章への補論 ガーゲンの自己物語論

8 32(10)「自伝というジャンルを作者/語り手/登場人物の一致によって特徴づけた」

自伝契約 (叢書 記号学的実践)

自伝契約 (叢書 記号学的実践)

9「物語の結末は「予見されるどころか、話によって集められたエピソードと適合するものとして最後に受け入れられるものでなくてはならない」のである」
時間と物語〈1〉物語と時間性の循環/歴史と物語

時間と物語〈1〉物語と時間性の循環/歴史と物語

9 33(12)「ダントは理想的編年史という仮説を使用して、歴史を語るということは事実をありのまま詳細に記録することではないということを示した」
物語としての歴史―歴史の分析哲学

物語としての歴史―歴史の分析哲学

9 33(13)物語の仮定法的性質
象徴と社会 (文化人類学叢書)

象徴と社会 (文化人類学叢書)

11 33(15)「ベンヤミンや柳田を引用しつつ、共同体における経験の伝承を物語の重要な要素として位置づけている」
物語の哲学 (岩波現代文庫)

物語の哲学 (岩波現代文庫)

11 33(18)井上俊「動機と物語」
岩波講座 現代社会学〈1〉現代社会の社会学

岩波講座 現代社会学〈1〉現代社会の社会学

46 68(9)
社会認識と想像力

社会認識と想像力

47「両者(パラディグマ的モードと物語的モード)は相互の還元不可能であると同時に相補的な関係にあり、自然科学においてはパラディグマ的モードが支配的であるが、人間の認識活動一般にとっては物語的モードがきわめて重要なものである」
意味の復権[新装版]:フォークサイコロジーに向けて

意味の復権[新装版]:フォークサイコロジーに向けて

57 臨床的物語論
ナラティヴ・セラピーの世界

ナラティヴ・セラピーの世界

60「「生きられた経験」と現在の物語の間に生じている齟齬に注目するものだ」86「1990年に」家族療法を提案、「物語療法と名乗るこのアプローチは、以後1990年代を通して広汎な支持を集めることになる」
物語としての家族

物語としての家族

  • 作者: マイケルホワイト,デビットエプストン,Michael White,David Epston,小森康永
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75, 118(1)「この問い(「なぜ家族療法なのか」)の裏側には「なぜ精神分析ではないのか」というもう一つの重要な問いが張りついている。あとでみるように家族療法・物語療法は精神分析に対して一貫して批判的な態度をとり続けているが、それでいて物語療法の実質的な開始点はフロイトのしごとであることを(しぶしぶながら)認めてもいるというねじれた関係にある」
76, 118(2)「行為の意図せざる結果」について家族療法の理論や概念を用いながら。
悪循環の現象学―「行為の意図せざる結果」をめぐって (リベラ・シリーズ (1))

悪循環の現象学―「行為の意図せざる結果」をめぐって (リベラ・シリーズ (1))

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OD>ファンタジーと現実 (認識と文化)

OD>ファンタジーと現実 (認識と文化)

80 システム論的アプローチ①家族はコミュニケーションシステムである②「問題」はコミュニケーションのパタンから生じる③セラピーとは「問題」を生み出すコミュニケーションパタン(個人ではなく)を変化させうことである④セラピストの介入する対象は個人から家族システムへ転換されなければならない。cf.個人の内面にアプローチする精神分析
88 システム論への不満①階層構造や権力関係、社会的不平等や差別の自明視②セラピストに対して対象(システム)が客観的・独立的に実在すると想定③セラピーにとって「意味」が重要であることを見落としている。
95 自分が伝染病にかかていると信じこんだ男。
ナラティヴ・セラピー──社会構成主義の実践

ナラティヴ・セラピー──社会構成主義の実践

p.142まで